KDDI研究所は6日、LTE-Advanced基地局用 無線装置内蔵アンテナを試作開発したことを発表した。このアンテナは、従来のアンテナと同等サイズである直径135mmまで小型化することに成功しているとのこと。 現在の携帯電話無線基地局は、電力増幅器やフィルタ等が内蔵された無線装置とアンテナが分離して設置されている。KDDI研では、基地局の簡素化と設置工事の軽減を目指し、無線装置とアンテナの一体化に取り組んできたが、このたび2GHz帯を利用して、アンテナの円筒直径を従来と同等である直径約135mmにまで小型化したLTE-Advanced向け無線装置内蔵型アンテナを試作開発した。 本アンテナでは、内部に用いられているアンテナ素子構成に新方式を採用したことで小型化を実現した。さらに高速データ通信向けMIMOへの対応も可能となっている。これにより、約50%の消費電力削減が見込まれるとしている。バッテリ駆動による無線設備のさらなる長時間運用が可能となり、災害・停電対策としての活用も期待されるという。 同研究所では今後は、複数の周波数帯への対応を目指し、2GHz帯以外の800MHz帯、1.5GHz帯などのマルチバンド無線装置内蔵アンテナの研究開発を進めていくとしている。