米Appleは22日未明、4インチ画面のiPhone新モデル「iPhone SE」、9.7インチ画面の小型版「iPad Pro」を発表。あわせてiOSの最新版「iOS 9.3」が公開され、旧機種でもダウンロード可能になっている。この記事ではiOS 9.3の新機能・改善点などを紹介する。 アップルによれば、iOS 9.3の主な新機能・改善点は以下のとおり。■新機能 「Night Shift」■改善された機能 「メモ」 「News」 「ヘルスケア」 「Apple Music」など。「iBooks」「CarPlay」「教育」も機能が改善。そのほかにもさまざまなバグ修正が施されている。 このなかでは、やはり新しく登場した「Night Shift」が注目だ。「Night Shift」は、時計と位置情報から、現在のまわりの明るさを類推し、「夜(日の入り後)であれば、ディスプレイ画面の色を暖色系に切り替える」という機能だ。 暖色系の画面にすることで、いわゆるブルーライトが抑えられた穏やかな色調で、目に優しい状態になる。これにより、夜に液晶画面を見ていても、眼への負担が少なく、スムーズに睡眠に移行できると考えられている。 「Night Shift」を使うには、「設定」の「画面表示と明るさ」をタップ。するとiOS 9.3では新たに「Night Shift」の項目が出来ているので、それを選択するだけだ。「時間指定」で色調を変えたい時間帯、「色温度」で色調の度合を調節できる。また「手動で明日まで有効にする」をオンにすれば、即座に色温度が変化する。夜になる前に、暗い部屋で睡眠するといったシチュエーションで使える機能だ。 じつはAmazonのKindle/Fireタブレットも同種の機能を搭載している。Fire用にカスタマイズされたAndroid OS「Fire OS 5(Bellini)」では、設定メニューから「Blue Shade」を有効にすることで、ブルーライトの放射を弱く出来る。しかし、「Blue Shade」では、時間帯の選択はできない。また画面が赤黄色に変化する度合が激しく、かなり濃いサングラス越しに見ているような状態になってしまう。「色調」は設定できても、その「度合」が設定できないから、正直使えない機能だ。市販アプリの「ブルーライト軽減フィルター」などのほうが、より細かく色設定を選択できる。 ただし、こうした「画面を暖色系にする」という機能は、あくまで、そのほうが眼に優しいという話であって、心地よい睡眠を送ることを保証するものではない。そのため、Appleの説明文も「これは心地よい眠りに役立つ可能性があります」と、ナントモ微妙な表現だ。あくまで、“寝床でのちょっとした気分転換”程度、と考えるといいだろう。 そういうわけで、iOS 9.3自体は、それほど劇的な変化があったわけではないと言える。改善点として大きなものは、個人情報を含む「メモ」をTouch IDまたはパスコードで保護できるようになったこと、Newsの“トップストーリー”セクションにその日の主要記事が表示されるようになったこと、iCloud関連の不具合がいくつか解消されたことがあげられる。また、先日おおきく報道された「日付を手動で1970年5月以前に変更して再起動操作を行うと、iOSデバイスが起動しなくなる」バグも修正された。※※※「Night Shift」の状態で、iPhone画面をキャプチャした場合、その色合いはデータに反映されず、普通の色調で保存される。本記事の画像は、Photoshopで加工した再生イメージである点に留意してほしい。※※※