東京大学情報学環、日本電信電話(NTT)、KDDI研究所、日立製作所、日本電気(NEC)、富士通は31日、広域仮想網「日米欧ネットワーク仮想化テストベッド」を用いて、新たな仮想網の構築および新世代ネットワークアプリケーション実験に成功したことを発表した。 「日米欧ネットワーク仮想化テストベッド」は、世界規模でテストベッド(実際の運用環境に近い試験用のプラットフォーム)を相互接続したもの。情報通信研究機構(NICT)がJGN-X上で運用するネットワーク仮想化テストベッドと米科学財団(NSF)が推進するGENIテストベッドの1つであるProtoGENI、欧州テストベッドの1つであるFed4FIREとを、米ユタ大学の協力を得て、スライス相互接続した。 広域なグローバルネットワーク仮想化テストベッドが構築されたことで、複数ネットワークサービスが相互に影響を与えず、別ネットワークが存在するような状況を日米欧間に作ることが可能。従来のインターネットでは実現することのできなかった新しいネットワークサービスに関する新世代ネットワーク技術の研究の加速が期待されるという。 新世代ネットワークアプリケーション実験は、「グローバルマルチドメイン環境での次世代映像配信実験」(NTT)、「アプリケーション特化QoS制御」(東京大学)、「IPON:IPアドレスによるスイッチング実験」(日立)、「スライス内でのIPSによる通信制御実験」(NEC)、「ユーザ移動先を追随するデータ配置機能による応答性能の向上実験」(富士通)の5つが行われ、いずれも実証などに成功した。今後は標準化を通して、SDN/NFV技術へのフィードバックを進める方針。