今回KDDIが展示していたAdcanced MIMOは、基地局に4本、8本と複数のアンテナを搭載し、複数の端末に同時に通信を行うことで高速化を図りつつ基地局のリソース(アンテナ)を有効に使い切るものだ。今後通信トラフィックが増えていく環境では重要な技術のひとつだ。 ただ、たとえば4台の端末に対して同時に通信を行い8本を使いきったとしても干渉の問題がでてくる。端末A、端末B、端末C、端末Dに対して基地局が送るビームの品質をアップしていくことが重要だ。Advanced MIMOでは、これらの干渉を制御するため基地局から端末に電波がどんな飛び方をしたのか把握し、それを基地局側に伝える前処理を行う。端末側から圧縮した電波情報を基地局に伝える(フィードバック圧縮方式)ことで、端末Aには他の端末の情報が綺麗に消えているような通信を行うことが可能になるという。 ブースのデモでは、1Hzあたり約20bpsの数値が示されていた。説明員によると「将来これが実用化されるような時期は100MHzのような帯域幅が一般的になると思われますので、2Gbpsを4人で共有しているような状況になり、高いスループットが実現できる」としている。なお、Advanced MIMO対応の基地局は新設していく方向で考えているとしている。