大日本印刷(DNP)は9日、UHF帯ICタグと顔認識装置と組み合わせて、万引きを防止する商品監視システムを開発したことを発表した。 UHF帯ICタグは、商品管理には適しているが通信距離が長い(5~10m)ため、セキュリティ面ではタグ検知用アンテナを通過していない周辺の商品を検知し、反応してしまうことがあり、検知精度の向上が課題となっていた。本システムは、UHF帯ICタグの応答波形の強弱によりタグ検知用アンテナを通過した商品のみを判別する機能と、監視カメラの顔画像により人物を認識する機能を組み合わせたものとなっている。 UHF帯ICタグを商品に貼付し、未精算の商品を持ち出した場合、店舗出口のタグ検出用アンテナがICタグを検知して、その日時と商品の情報、その人物の顔を監視カメラで撮影して記録する。さらに、その人物が再び来店したときに、顔認識装置で照合した結果を店員などに通知する。日常の棚卸、商品の在庫管理などにも活用可能。 5月よりグループ会社の丸善・丸の内本店の洋書売場に本システムを設置し、2012年4月まで共同で実証実験を行う予定。なお丸善書店ではすでに、丸の内本店の洋書売場において本システムで使用するICタグを商品に貼付して、日常の棚卸しや在庫などの商品管理のテスト運用を実施中。今後は、在庫管理や販売・貸出管理などにUHF帯ICタグの導入が始まっている書店やアパレルなどの流通業界やレンタル事業会社、図書館などに本システムを販売し、ICタグの事業拡大を目指す。