大日本印刷(DNP)は16日、丸善の書店店舗とDNPが開設している「ギンザ・グラフィック・ギャラリー」(ggg)において、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)を搭載したNFC携帯電話を利用し、情報配信の実証実験を実施すると発表した。 gggでの実験は7月5日~29日に開催している企画展の期間中に、NFCタグを内蔵したパネルを利用してNFC携帯電話へ展示作品に関する情報を配信する。丸善店舗では今年9月から、デジタルサイネージを利用したサービスを行う。今回の実験では、NFC携帯電話の3つの基本アプリケーションであるICカード機能、リーダーライター機能、Bluetooth連携機能の技術検証を実施。ユーザビリティの評価やマーケティング効果を測定する。 この実験は、KDDIが行うNFC携帯電話の実証実験のパートナー企業として、DNPが他社に先駆けて実施するもの。パートナー企業は十数社が参加しており、それぞれの企業が独自の実証実験を行う。DNPは、パートナー企業として参加しているオリエントコーポレーション、クレディセゾンの実施する「MasterCard PayPassの発行、アクワイアリング、店頭利用実験」におけるパーソナライズシステム提供を行う。さらに、T-Engineフォーラムと共同で、東京都と国土交通省が連携して推進している東京ユビキタス計画で、銀座に設置しているucode ICタグに対する実験でNFCタグを提供する。DNPはNFC関連で、今後3年間で約10億円の売上を目指すとしている。