英Sophos(ソフォス)は23日、2009年のマルウェア感染Webサイトのホスト国ランキングを公表した。世界4か所でウイルスやスパムなどの脅威解析を行っている「SophosLabs」の調査によるもの。 同研究所は2009年に、1日あたり約5万サイトを超えるあらたな感染Webサイトを検知したという。これは、約1.8秒に1サイトのペースとなり、2008年の1日あたり約2万サイト、約4.5秒に1サイトのペースと比較して2倍以上に増加したものとなる。 2009年は、マルウェアに感染したWebサイトをもっとも多くホストしていた国はアメリカで、その割合は全世界の37.4%となった。前回2位だった中国は3位に下降、代わりにロシアが2位に浮上した。中国は2007年には51.4%を占めていたが、2008年に27.7%、そして今回2009年に11.2%と改善の傾向が続いているという。ちなみに悪意のあるWebサイトを保持する国は分散が進んでいて、中でも前回はトップ10にランキングしていなかったペルーが今回3.7%を占め、4位に浮上した。なお、日本は、0.94%で18位にランクしている。■2009年のマルウェア感染Webサイトホスト国ランキング1. アメリカ 37.4%2. ロシア 12.8%3. 中国(香港含む)11.2%4. ペルー 3.7%5. ドイツ 2.6%6. 韓国 2.4%7. ポーランド 2.1%8. タイ 2.0%9. トルコ 1.9%10. 英国 1.6% その他 22.3% なお、特定の国のWebサイトでマルウェアが発見されたとしても、必ずしもハッカー自身がその国を拠点としているとは限らないため、その国自体の傾向を示すものではないが、ハッカーがどの国のドメインを好むか、どういった国のサイトに留意すべきかの参考にはなるだろう。 ちなみに2009年に急増した攻撃は、一般ユーザーにとって信頼度の高い公式サイトへの「悪意のある広告」の掲載だという。実際に、新聞社のNY TimesのWebサイトなどが悪意のある広告の攻撃を受け、多くの閲覧者がマルウェアに感染したとのこと。ソフォスの上級技術コンサルタントのグラハム・クルーリー氏は「公式サイトの場合、閲覧者はWebサイトを信頼しているため、警戒することなくポップアップや広告を信じてしまう傾向があり、とても危険です」と警告している。