「富士通フォーラム 2009」では、ウィルコムのPHS網を使い、遠隔操作でHDDのデータを消去できるソリューションが展示されている。 社外でのモバイルPC利用ニーズは高まっているが、盗難・紛失時のデータ漏洩のリスクから、やむなく持ち出しを禁じている企業は多いだろう。富士通が開発中のFMV LIFEBOOKカスタムメイドオプションを利用すれば、ウィルコムのPHS網を使い、遠隔操作でHDDのデータを消去したり、起動させないようロックをかけることができるため、社外でも安心して運用することが可能になる。 この仕組みは、PCの電源オンオフに関わらず、常時待ち受け状態を維持する専用の通信モジュールによって実現しているため、電源オフの状態でもHDDデータの消去が可能なのが大きな特徴だ。 通信モジュールは、待ち受け時の消費電力が1ミリアンペアと非常に少ないため、充電なしでも、約1週間待ち受け状態を維持することが可能だという。ウィルコムの人口カバー率は99%を超しているため、海外に持ち出されでもしなければ、ほぼ100%対処可能と言えるだろう。 データの削除は、元々暗号化されているHDD内のデータを復号する際に必要となる暗号鍵を消去することで実行されるため、たとえなんらかの形でデータを吸い出されたとしても、内容が漏洩することはない。また、消去命令に対しての結果はレポートとして管理者側に報告されるため、GPSを使ってPCの大まかな位置情報も取得することができる。 なお、この技術は参考出展であり、実際の出荷は2009年度下期以降となる。