ドコモからのiPhone登場が大きな話題を呼び、3キャリアのネットワーク競争が激化した2013年。日本におけるiPhoneの存在感が確固たるものになった一方で、NEC・パナソニックがスマホから撤退するなど国内メーカーは苦しい状況にある。このままiPhoneの勢いが続くのか、それともAndroidや新OSの巻き返しはあるのか。また、端末のコモディティ化が進む中、キャリアはどんな部分で差別化をはかり、ユーザーを獲得していくのか。 2013年のスマートフォン市場総括と、2014年の予測について、スタッフで座談会を開催。参加したのは、青森公立大学准教授で特定非営利活動法人モバイル学会理事・副会長の木暮祐一氏、RBB TODAY編集長の小板謙次、同編集部 白石雄太、吉川亮太、ITライターの椿山和雄氏。【小板】:今年のスマートフォンの動きについて、印象に残っていることはなんですか?【白石】:NECとパナソニックがついにスマホから撤退してしまいましたね。寂しい限りで……【小板】:国内ベンダーのスマホ市場での負け、が明らかになった年でもありましたね。NECはガラケーに集中していくと言ってます。【木暮】:各所で「ガラケー回帰か?」という話題も多く出ましたが、新モデルといっても焼き直しのモデルばかりでがっかりでしたね。国産メーカーの本気度が見えてきません。【吉川】:ガラケーで言えば小型・薄型のガラケーは出てもいいのかな、と感じました。【木暮】:本音は、スマホやタブレットと併用できる音声端末を充実させて欲しいですね。そういう点ではウィルコムは頑張っているのかも。【小板】:Xperiaは頑張ってるイメージがありますが、底力というかソニーらしさを感じるかというと、厳しいです。【吉川】:国内ではドコモがツートップとして押してくれたおかげで売れているイメージです。■ドコモのiPhone参入【木暮】:ドコモと言えば、iPhone取り扱い開始は大きな話題でしたね。青森に来て感じるのは、地方ではスマホ率がまだまだ低い事。それは日頃の交通機関等の利用が首都圏と違う事もありますが、ドコモへの信頼が高いというのもありました。なのでドコモ+iPhoneで、地方のスマホ率押し上げに大きく貢献するのかなと思っています。【小板】:ドコモ参入で何か変わったんでしょうか?【木暮】:まだデータは出てないようですが、店頭で見ていても地方でのドコモのiPhoneはそこそこ出ているようです。iPhoneならガラケーから乗り換えてみようかというユーザーは多そうです。【白石】:ドコモiPhoneについては、数字ではまだ影響が見えてきていません。TCAの発表など見ても、相変わらずKDDI(au)がMNP純増で1位をキープしていて好調で、ドコモは転出超過のままです。11月は少し回復傾向にありましたが、まだこれからといった感じです。【小板】:乱暴な言い方をすれば、iPhoneなんてどこのキャリアも端末自体は変わりないですよね。スマホは回線と価格で選択するようになった、と言っていいのでは?【木暮】:そうですね。ネットワークの良さをアピールするキャリアのCMをよく目にするようになりました。夏ぐらいまではソフトバンクも頑張っていましたが、iPhone 5s/5cからauが800MHzのLTE対応で一気に挽回しましたね。
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