そうした動きがある中で、現時点ではどのように通信キャリアを選んでいけばよいのであろうか。この問いに対する結論は決して簡単ではないのだが、これから新たなスマートフォンと通信キャリアを選ぶというユーザーに参考にしていただきたいポイントは次のとおりだ。 まずスマートフォンを有効に活用するためには、3G方式よりもLTE方式のエリアの充実度が必須要件となってくる。各通信キャリアのスマートフォンとも、LTE方式に対応していないエリアでは3G方式で接続し通信が可能となっているが、LTEと3Gでは、その通信速度の差は歴然としている。もちろん、LTE方式で接続できても、同じエリア内に同時に利用するユーザー数が多ければ、通信速度が低下していく。とくにユーザーが集中する都心部のターミナル周辺などは、基地局の小セル化(セルとは、基地局からの電波が届く範囲のこと)などの工夫によって、多くのユーザーの通信をさばくようなネットワーク上の工夫が求められる。 ソフトバンクは夏モデル発表会の際にネットワークへの取り組みに触れ、「小セル化」「ダブルLTE」などの手法で対策を講じていくとした。「小セル化」はウィルコムから継承したAXGPネットワークの強みを活かし、複数設置したマイクロセルと呼ばれる小基地局を1カ所で制御することでユーザーが集中するエリアの通信混雑を動的にさばいていくというもの。ただしこれはSoftbank 4G対応のAndroidスマートフォンのみで利用可能となっている。「ダブルLTE」はイー・アクセス所有の1.7GHz帯のLTEネットワークを既存の2GHz帯のLTEネットワークと併用するというもの。これはiPhone 5やiPad miniなどLTE対応のiOS端末のみ利用できる。ソフトバンクはiPhone 5発売開始当初、都心部でのLTE接続でKDDIより不利とされていた。関係者の話では、もともと2GHz帯の周波数割り当てを受けて3Gサービスを展開してきたソフトバンクは、都心部においてはすでに同社に割り当てられている2GHz帯の大半を3Gで使用していたため、新たなLTE基地局の増設が難しい状況にあった。しかし、イー・アクセスのLTEネットワークを活用することができるようになったため都心部のLTE帯域不足を一気に解消できた形になる。 KDDIは今後、LTEサービスを拡張し、受信最大100Mbpsの高速データ通信サービスを提供開始することを発表している。四国の一部エリアより提供開始し、2013年6月以降順次全国に拡大するという。この拡張では、夏モデルとして発表されたスマートフォン4モデルのほか、iPhone 5、iPad mini、iPad Retinaディスプレイモデルも対応する。
【木暮祐一のモバイルウォッチ】第99回 これぞ、“駐車場IoT”! 駐車場検索アプリ「Smart Park」のビジネス展望とは 2016年10月20日 日頃、自動車を足代わりに使っている人には欠かせなくなりそ…
処理性能、AI機能も進化!「Google Pixel 9」「Google Pixel 9 Pro XL」 2024年8月23日 Google Pixel 9とPixel 9 Pro XLが登場。AI機能や処理性能が向…