ケータイ関連サービスのトピックスといえば、スマートフォン最新機種のレビューなど、どうしても端末ばかりに目が向きがちである。こうしたケータイやスマホを便利に活用できる裏側では同時に地道な通信ネットワークの進化も続けられている。2015年度には下り最大1Gbpsという通信が可能になるというLTE-Advancedのフィールドテストを、このほどNTTドコモが報道関係者に披露した。■4Gに至るまでの通信方式の進展 ケータイサービスにおけるネットワークの歴史を振り返ると、サービス開始当初の1980年代は電波の周波数帯を複数の帯域(チャネル)に分割することで多元接続する周波数分割多元接続(FDMA:Frequency-Division Multiple Access)が使われていた。いわゆるアナログ方式と呼ばれていたサービスであるが、この基本技術は現代の通信サービスまで応用されている。 その後1993年に始まったデジタル方式(第2世代、2G)ではデジタル信号に変換した音声データを一定の時間周期で多数のタイムスロットと呼ばれる単位に分割し、1つの周波数チャネルの中で同時に複数のユーザーの通信を可能とさせた。これは時間分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)と呼ばれる。 2001年にサービス開始されたNTTドコモ「FOMA」などのいわゆる第3世代(3G)サービスでは、複数のユーザーの信号にそれぞれ異なる符号(Code)を乗算し、同時に通信するすべてのユーザーの信号を合成して送受信する通信方式が採用された(CDMA:Code Division Multiple Access)。 振り返れば、1990年代は急増する加入者に対応するための多元接続技術の進展だった。一方、iモードに始まるモバイルデータ通信サービスの進展と大容量化に対応した技術進化が求められるようになってきたのが第3世代以降の技術といえるだろう。こうしたケータイの通信方式の世代進化は、およそ10年サイクルで新しい技術が登場し、一定期間同時にサービス提供が行われたのち、後継サービスに置き換わっていくということを繰り返してきた。第1世代のアナログ方式は1980年代に広まり、1999~2000年にサービスが終了。第2世代のデジタル方式は1993年に登場後、1990年代の急激な加入者増に対応するべく広まったが、2012年にその役割を終えている。2001年に登場した第3世代のCDMA方式(W-CDMA方式、CDMA2000方式など)は現在主流であるものの、急速なスマートフォン増に対応させるために今後主流となるLTE方式へのユーザーの早急な移行が求められるというような現状である。
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