さらに、日本においては当面FelicaチップとNFCチップとのデュアル構成になるかもしれないが、サービス全体としてはアプリケーション、サーバーなどのバックグラウンドインフラ、運用などで違いは吸収でき、相互乗り入れに問題はないという。「FelicaにしろNFCにしろ、ユーザー側から見れば、できることに大きな違いはありません。携帯やスマートフォンでものが買えたり電車に乗れることが重要なので、端末の違い、NFCの方式の違いなどはユーザーに意識させないことが重要だと思っています。」(海和氏)と言うように、3ヵ国のキャリアが策定する共通仕様には、Felica、NFC Type A/Bの3つのプロトコルと、各国ごとの既存アプリをサポートすべきと規定されるそうだ。
海和氏は、具体的なプランについて「これからの部分はありますが」と前置きしつつ、「13年度の上期中に、韓国のcash beeというチャージ可能なポイントカードのサービスにドコモのNFCが対応する予定です。これは地下鉄など交通機関でも利用できます。また、ドコモiDとMasterCardのアライアンスによって海外51ヵ国でNFC決済を可能にする計画もあります」と答えてくれた。中国との連携でも銀聯カード(China UnionPay)や北京の公共交通機関パスとの相互乗り入れを考えている。ユーザーが、自分が利用しているサービスの方式がFelicaなのか、NFC Type A/Bなのかを意識することなく、気づけばドコモの端末で海外でも地下鉄に乗れたり買い物ができるようになっている。そうした状況が理想だという。