日本電気(NEC)は23日、大都市間や、光ケーブルの敷設が困難な山岳部・渓谷における長距離通信(伝送距離30km~50km)に利用される、基幹通信網用の高速大容量マイクロ波通信システムの新製品として、「5000iPシリーズ」の販売を開始した。 新製品は、TDM(時分割多重)に加え、新たにフルパケット方式(IP)のネットワークに対応しており、LTEや4Gの通信での利用に向けた基幹ネットワークの増強に適した製品となっている。フルパケット対応により、複数の回線を束ねて伝送することで、従来比約1.6倍となる最大4Gbpsの大容量通信を実現した。また、交差偏波干渉キャンセラー(XPIC)による伝送容量の最大化に加えて、無線回線品質に応じ変調方式や伝送レートを自動で変更し、スループットを向上させる「AMR機能」も搭載する。従来製品(5000S)で提供している無線機能に加え、ギガビット・イーサーネットにも対応している。 なお本体の高さを、ETSI(European Telecommunications Standards Institute、欧州電気通信標準化機構)標準のハーフラックサイズより、40cm低くするとともに、体積も従来製品と比較して約20%小型化。これにより、通信事業者の局舎内など、スペースが限られている場所へのよりフレキシブルな設置を実現した。新製品は、すでにザンビアとタンザニアの通信事業者から受注が決定しているとのこと。