公益財団法人徳川ミュージアムと、大日本印刷の子会社DNPアートコミュニケーションズは31日、「徳川ミュージアム」の収蔵品画像データの貸出サービス「徳川ミュージアム・イメージアーカイブ」を発表した。6月1日より開始する。 「徳川ミュージアム」(旧・彰考館 徳川博物館)は、水戸徳川家13代当主である徳川圀順(くにゆき)公爵が昭和42年(1967)に創立した、公益財団法人徳川ミュージアムが運営する私立博物館。昭和52年(1977)茨城県水戸市に開館。徳川家康の遺品を中心に、印籠でおなじみの2代光圀が『大日本史』編さんのため諸国より集めた貴重な文書・書画、「新田」「玉堂」といった伝来の名物茶器、狩野探幽・円山応挙・横山大観ら日本絵画史に名を残す画家による名画、さらには世界最古のアンコールワットの図として知られる「祇園精舎図」など約6万点を所蔵している。 DNPアートコミュニケーションズは、国内外の美術館・博物館が収蔵する文化資産について、画像データの貸出業務および権利処理業務、コンサルティング業務などを行っており、フランスのルーヴル美術館やオルセー美術館、イギリスの大英博物館やナショナル・ギャラリー、アメリカのボストン美術館やフィラデルフィア美術館、ドイツのベルリン美術館、オーストリアのウィーン美術史美術館、日本の東京国立博物館や東京都江戸東京博物館、名古屋の徳川美術館など数多くの美術館・博物館の収蔵作品の画像データの貸し出しサービスを行っている。今回のサービス開始により、名古屋に続いて水戸の徳川家の歴史的遺産を取り扱うこととなる。 今回、徳川ミュージアム収蔵の御宸筆(ごしんぴつ)・口宣案(くぜんあん)などの宣下文書、甲冑(かっちゅう)・刀槍(とうそう)・弓箭(きゅうせん)・火器等の武具・馬具・墨蹟・絵画・調度・衣装・楽器・遊戯具などのうち、特にこれまで利用の多い大名道具約240点の画像データから、貸出サービスを開始する。主な作品に、水戸黄門の「黒地葵紋金蒔絵印籠」、国指定重要文化財「ドチリナ・キリシタン」「紺地葵紋菊唐草丸紋辻ヶ花小袖」など。 利用者は、DNPアートコミュニケーションズが運営するWebサイト「Image Archives(イメージアーカイブ)」で使用したい作品の画像の貸出を申し込むことにより、デジタル画像をダウンロードできる。また希望に応じてデジタルデータをコピーしたCD-Rで受け取ることも可能。画像利用料は、利用する用途および数量やサイズによって異なる。