KDDIは28日、日本で初めてWiMAXに対応したAndroidスマートフォン「htc EVO WiMAX ISW11HT」と、Android 3.0を搭載した10.1型(1,280×800)タブレット端末「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」を発表した。同日に開催された新端末の発表会では、同社代表取締役社長 田中孝司氏が登壇し新製品を紹介。またHTC 上級副社長 フレッド・リュウ氏や、Motorola Mobility 副社長 スピロス・ニコラコポウロス氏も駆け付け、新端末をアピールした。 発表会終了後には、田中社長への囲み取材が行われた。以下はその一問一答。――各社がスマートフォンを投入しており、端末の差別化が難しくなってきているのでは?田中社長:垂直モデルのフィーチャーフォンに比べれば差別化が難しいのは事実。それでもIIDAプロジェクトのようにハードウェアの外観を変えることはできる。ソフトウェアだが、OSの部分はあまり変わらない。ただしネットワークでは、WiMAXが大変高速であるためこれは差別化になると思う。それとコンテンツ。「Skype for au」のように、世界中からえりすぐった良いものを日本にいちはやく提供する。そのうえで新たなクラウドを使って差別化をできるのではないかと思っている。――今後スマートフォンユーザーのすそ野を広げていくうえで、重要なことは?田中社長:(今回の新機種はハイエンド向けだが)今後はボリュームゾーンであるミドルレンジもカバーしていきたい。そのために必要なハードウェア、ソフトウェアを考えていきたい。国内スマートフォンに必要なeメールやおサイフケータイなどを入れていく必要がある。――来期を含めた販売台数は?田中社長:来期の台数は言えないが、今期は100万台は超えると思う。――今回初めてテザリング機能が3Gでも解禁されたが、ネットワークは耐えられるのか?田中社長:3G回線では規制がかかるが、WiMAXでは規制がかからない。ヘビートラフィックはWiMAXに流すことになるため、まだまだ大丈夫だと思っている。――米国で発売された「MOTOROLA XOOM」はもともと3G回線に対応しているが、au版ではなぜWi-Fi機能のみとなっているのか?今後の3G対応の予定は?田中社長:「MOTOROLA XOOM」を早く使ってみたいという要望を多くいただいた。またタブレットは屋内で使う場合が多いため、早期の投入を優先した。今後3Gに対応するかどうかは検討課題。――Wi-Fi端末であればauユーザー以外も利用できるが、具体的な売り方は?田中社長:具体的な売り方はこれから発表することになる。まだ詰めなくてはいけないことがある。――公衆無線LANサービスとして、ドコモは「Mzone」、ソフトバンクは「BBモバイルポイント」を持っているが、他社と比べauは無線LANのカバーが弱い印象があるが?田中社長:これから気合いを入れて広げていきたい。スマートフォンのトラフィックが予想以上に増えてきているため、無線のネットワークではすべてカバーできないことははっきりしている。外でもトラフィックが多い所はWi-Fiでオフロードするなどしないと、快適な通信環境ができない。――SIMロックの解除は考えているのか?田中社長:うちはCDMA方式なので(SIMロックを解除しても)意味はないと思っている。どうするかはこれから検討はする。――WiMAXへの対応を、(作り込みに時間がかかる国内端末ではなく)グローバル端末で行ったということは、端末販売へのスピードを重視したということ?田中社長:そうですね。――グローバル端末は、本当に買うのはごく一部でマスにはいかないのではないか?田中社長:本当にミドルレンジに行き渡らせるのは難しいと思うが、グローバル端末を受け入れる層は以前と比べて増えていると思う――キャリア独自の作り込みをするよりは、海外の新端末を多くいれたほうが、マーケットには受け入れられる?田中社長:中間ゾーンの人はおサイフケータイが必須だと思っていたり、複数台所有しているハイエンドユーザーには必ずしも必要でなかったりするなど、一概には言えない。ただ以前のようにそういったものを全く受け入れられないという市場から、そうではなくなってきている。――それではこれからもグローバル仕様の端末が増えるのか?田中社長:そうですね。――「MOTOROLA XOOM」は1月に発表されたばかりだが、今回の新端末はどれくらいのスピード感で投入を決めたのか?田中社長:本当に短い。数ヵ月程。――テザリングはこれからWiMAX対応の端末の標準機能になってくるのか?田中社長:おそらくその方向になるだろう。
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