NECは24日、複数の通信事業者間において、インターネットのトラフィックを効率的に分散する制御方式を開発したことを発表した。今回開発された制御方式は、特定の通信事業者を経由したトラフィックのみを制御する方式、およびトラフィック状況に応じて自律的に制御メッセージの送信先を決定する方式となる。 これらの制御方式では、ネットワーク負荷を上げることなく経路制御を行い、トラフィック分散を実現している。まず経路制御プロトコルの制御メッセージ内に、事業者を一意に識別する番号を指定可能とすることで、トラフィック送信元の通信事業者にのみ制御メッセージが届くようにした。これにより、ネットワーク全体における制御メッセージ数の増大を防ぎつつ、適切なトラフィック分散を実現することが可能となった。 また運用者の負担軽減を目指し、通信事業者内の管理サーバにおいて、顧客向けトラフィック量を送信元の通信事業者ごとに集計し、適切なトラフィック分散を実現するためにどの通信事業者に向けて制御メッセージを送信すべきかを選定するようにした。制御メッセージを送信すべき通信事業者の選定を、人手を介さずに行えるため、運用者の管理負荷を軽減できるとともに、設定の誤りなど人為的ミスの発生を防ぐことが可能となった。 今回の方式を利用したシミュレーションでは、現在利用されている拡張メッセージなしの経路制御プロトコルによる方式との比較で、全通信事業者数を18、そのうち今回の方式を適用した事業者数を3としたときに、インターネット上の制御メッセージ量を従来方式と比べて約30分の1に削減できたという。なおこの開発は、総務省からの委託研究「次世代バックボーンに関する研究開発」の成果の一部となっている。
Googleとセールスフォース、戦略的グローバル・アライアンスを拡大〜クラウド環境のアプリ開発を支援する「Force.com for Google App Engine」発表2008.12.10(水) 10:23