この業界でこの年令になると、健康なやつは見たことない! 飲み会で出るのは持病自慢と葬式の話ばかりだ。健康診断といいながら、実態は不健康診断になるのがオチ。だが、いつまでもそんな昭和脳で仕事をしていてはいけない。この先、年金や保健制度は厳しくなる方向だとしたら、予防や未病対策は重要だ。
オープン直前、その健診を体験できるというので、行ってみた。
●フォローアップ検査やセミナーなどで長期ケア
KRD Nihombashiは、ただ健診をするだけでなく、その後半年ごとの血液検査によろフォローアップや生活習慣を改善するための活動も支援するという。その活動は、受診者の健康リテラシーを高め病気にならない健康を維持してもらうため、料理教室、栄養やトレーニングに関するセミナー、ヨガ教室やエクササイズといったイベントを開催する。キッチンスペースもこの施設には用意されている。

平たく言えば、人間ドックの検査を、ただ受けて終わりではなくその後のフォローアップや健康維持の取り組みを提案してくれるというサービス。通常の健康診断や人間ドックは、結果をもらって終わりになってしまう。経過観察くらいだと、食事を変えようとか運動しようなどなりにくい。ここの検診は、6か月後の血液検査やセミナーなどの提案もいっしょにしてくれるそうだ。
生活改善などしたくてもできない「低意識症」の私のような人間のため(だけではないが)、ありがたいサービスといえよう。
●自由診療扱いだがコスパは悪くない
施設内のデザインはなかなか凝っている。まず受付からして病院や健診センターっぽくない。落ち着いたカウンターで担当者が丁寧に対応してくれる。健診着もよくある甚平タイプではなく、そのまま家着やパジャマに使えるようなデザインだ。健診終了後は持って帰えることができる。

健診が混みあってくると、待ち時間を持て余すことがある。大病院の人間ドックセンターではないので、それほど混雑するとは思えないが、施設内には読書コーナーやコンセント付の作業カウンターがある。書架には、施設オススメの健康関連タイトルなどが並ぶ。
コンセントがあっても、普通病院は携帯電話禁止だろう、と思うかもしれないが、この施設の最大の(と筆者は個人的に思う)特徴は、むしろスマホ必携という点だ。さきほどの受付だが、受付そのものはいたってシンプルで、事前にネット申請でもらったバーコードをかざすだけだ。以後の健診もペーパーレスで、それぞれの検診ごとにバーコードを提示するだけだ。しかも、スマホやノートPCその他を持ち歩けるように、布製の手提げバッグももらえる。

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自由診療による健診であるため料金は少々高い(健診項目によって5~10万円前後)が、施設のサービスと先進機器による健診・サポートが受けられることを考えると、コスパは決して悪くない。
●最先端の眼科検査機器と音声認識による歯科健診
今回の検診は、目と歯にした。人間ドックで一般的な、身長・体重、胃・肺のレントゲン、血液検査、超音波検査、聴力検査、婦人科検査、問診など一通りそろっているが、眼科検査の機器が充実しているのと、通常の人間ドックでは珍しい歯科健診がここの特徴らしい。
確かに歯の検査までしてくれるのは珍しい。自分など大きな症状がでてないので、もう10年くらい歯医者に行っていない。本来は定期的なメンテナンスが必要なはずなので、いい機会と思って受けることにした。
眼科検査で受けられるのは、視力、眼圧、網膜検査、眼底検査、視野検査などだ。これらはすべて座って機械をのぞき込むタイプの最新機器で行う。緑内障や眼底の異常はこれらの検査でだいたいスクリーニングできる。網膜検査をする機械は、最新式の検査器具で、従来タイプより撮影範囲が広いのが特徴だ。網膜剥離や目の疾患は急な症状に襲われることがあるが、広範囲な画像によって、早期発見やその他のリスクを知ることにもつながる。
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歯科健診では、器具で口を広げての写真撮影と医師による歯の検診を行う。学校の歯科健診でやる「C3からC7…」とかいうアレだ。歯の状態と歯茎の状態を調べてくれる。検査そのものは人間(医師)が行うが、カルテづくりは機械が自動的にやってくれる。医師が発した言葉を音声認識が処理してくれるのだ。横でメモなど取る必要はない。
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すべての検査結果は、クラウドに保存されWebで確認することができる。予約時に施設のサイトでマイページを作るのだが、そこに結果が書き込まれる。マイページは、健診前の問診も行うようになっている。300項目を5日分(食事や便の状態)答えるのだが、その分、検査結果は、数値のレポートだけでなく、詳細なアドバイスも可能にだそうだ。