■結局、何が便利? 中途半端感が目に余ったウェアラブルデバイス 2015年に急速な普及が期待されたウェアラブルデバイス。とくにアップルが「Apple Watch」を2015年4月に発売開始し、腕時計型ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ)の普及に大きな期待が持たれたが、実際には苦戦が続いているようである。 筆者もスマートウォッチは各社のものを日常的に愛用している一人であるが、おそらく実際に手にしたユーザーの多くは「結局、何が便利なんだろう」という結論に至ってしまうのではないだろうか。スマホと連携させて、メールやメッセージ、音声通話などの着信を知る各種通知機能の利用や、心拍データなどのヘルスケアデータの収集というのが活用の目的となろう。 しかし、各種通知機能がどれほど便利なのかといえば、結局のところスマホ本体をポケットから取り出してディスプレイ操作したほうが使い勝手が良かったり、あるいはヘルスケアデータの収集に関しても中途半端感が否めなかったりするのである。しかも毎日の「充電」が欠かせない製品ばかり。 筆者の場合、ウェアラブルデバイスに関してはとくに生体情報収集のところで大きな期待を持っているのであるが、収集できる情報はまだ限りなく限定されている。たとえば一時的な心拍数だけ収集できても役立てられるところは少ない。しかし、常時心拍のピーク間隔を収集できるのであれば、たとえばそのウェアラブルデバイスを装着しているユーザーの交感神経や副交感神経の状態を計測可能になる。すなわち、リラックスしているのか緊張しているのか、その比率や頻度なども収集可能になり、応用範囲は一気に広がる。 iOSに標準搭載されている「ヘルスケア」アプリに各種ヘルスケアデータ項目が多数並んでいるものの、まだそれらの項目内容の多くは収集するためのデバイスが用意されていない。今後のセンサー技術の進展などで、ウェアラブルデバイスのさらなる高機能化や特化を期待したいもの。同時に、装着していて違和感の感じない製品を期待したい。 国内外各社の製品を試しているが、とくに日本メーカー製のウェアラブルデバイスはまるで「業務用か!?」と思うほど装着時の違和感を感じさせるものばかりだ。心拍計機能付スマートウォッチにしても、国産メーカー品は装着しているだけで痛みを伴ったり、アザができてしまうほど。オシャレさにはどれも程遠い。こうした分野で国産メーカーがもっと活躍してくれないものだろうか。
【木暮祐一のモバイルウォッチ】第99回 これぞ、“駐車場IoT”! 駐車場検索アプリ「Smart Park」のビジネス展望とは 2016年10月20日 日頃、自動車を足代わりに使っている人には欠かせなくなりそ…