■成否は見えないが、今後の動きに注目しておきたいMVNO 通信事業は規制産業であり、さまざまな法律の下で認可を受けた通信事業者がサービス提供を行うものである。そこには通信設備の構築など莫大な投資が必要であり、ともあれ簡単に参入できる領域ではなかった。 しかし、既存通信事業者(MNO)のインフラを借用して独自ブランドで通信事業を展開できるMVNOが認められるようになり、またMVNOに対する卸料金も大幅に下がってきた。 大手3事業者が2015年3~4月に総務省に届け出たデータ通信接続料(レイヤ2接続・10Mbps 当たり月額)では、NTTドコモの場合95万円(前年度比▲23.5%)、KDDIの場合は117万円(前年度比▲57.6%)、ソフトバンクの場合135万円(前年度比▲61.5%)と提言している。すなわち、MVNOとして独自ブランドで通信事業に参入できる障壁がどんどん下がっている。 MVNOは、これまで大手企業の資本が入った事業者ばかりであったが、エックスモバイルのように資本もほとんどない状態から創業1年でサービス提供を開始するようなベンチャー的MVNOも出現するようになった。 木野氏はすでにFCの一次店、二次店を合わせおよそ600社に達しており、2,000店舗の開業を目指すとしている。そのやり方には手荒い部分も少なくなく、日々サービスの改善に努めているところをウェブなどからも読み取れる。 しかしながら「携帯電話事業におけるLCCとして必ず成功させる」という木野氏の気迫には驚かされたし、また携帯電話業界に関する知見がほとんどなかったという状況から、「志」ひとつでこのMVNO事業に邁進している。世界の発展途上国の現状を知り、LCC航空会社がそうした途上国の人たちの生活を変えたように、通信の世界も変えて行きたいという強い意志を感じた。 携帯電話業界には“この琴線には触れてはいけない”とか、“この一線を超えてはいけない”というような暗黙のしきたりのようなものが存在するのだが、木野氏はこうした業界の商慣習にはとらわれず、自身が実現したいことにひたすら奔走している。 その姿は業界関係者にとっては、ときには“やんちゃ”に感じるところもあるのだろう。ただその“やんちゃ”さは、通信業界(とくに携帯電話販売業界)に根付いてしまった“ユーザーの便益よりも営業利益を追求する主義”に比べれば、とても健全な志向に感じさせられた。 ともあれエックスモバイルの動きには、今後も注目していきたい。
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