シャープは12日、2014年=平成26年3月期の連結業績を発表した。売上高は対前年度比18%増、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも前記の赤字から黒字に転じた。 平成26年3月期の連結業績(2013年4月1日~2014年3月31日)は売上高が2兆9271億8600万円、営業利益が1085億6000万円、経常利益が532億7700万円、当期純利益が115億5900万円。 2014年=平成25年3月期はそれぞれ2兆4785億8600万円、1462億6600万円の赤字、2064億8800万円の赤字、5453億4700万円の赤字だった。 シャープは、2014年連結会計年度における日本の経済について、アベノミクスによる金融緩和や各種経済対策効果により、企業収益の改善や、設備投資の持ち直しの動きが見られた、と分析する。また、消費税率引き上げ前の駆け込み需要により、耐久消費財を中心に個人消費が活発化するなど、堅調に推移した。一方、海外も、新興国の成長鈍化や欧州での景気回復の遅れが見られるものの、米国や中国の景気が緩やかに拡大するなど、総じて底堅い動きを示した。 こうした中、シャープ・グループは、高精細4K対応AQUOSやフルHDパネルで4K相当の高精細、高画質表示を実現する「クアトロンプロ」、IGZO液晶ディスプレイ搭載スマートフォン、需要が旺盛な国内市場向け太陽電池、さらにはモバイル端末向け中小型液晶パネルなど、特長のあるデバイスと独自商品の創出および販売強化に取り組んだ。加えて、在庫の低減や設備投資の抑制、さらには総経費の徹底削減など、経営改善の諸施策を推進した。 それらの結果、中期経営計画で掲げた当期純利益の黒字化を達成することができたとする。また、戦略的投資資金の確保と財務基盤の強化を図るため、公募による新株式の発行、オーバーアロットメントによる株式の売り出しおよび第三者割当増資を実施し、総額1437億円の資金を調達した。