トヨタは2011年のモーターショーでプリウスPHV(プラグインハイブリッド)の非接触充電のデモを行っているが、今回のCEATECでは、2014年に開始するという実証実験に向けたシステムの展示を行っていた。 一般的に、非接触で給電するには電磁誘導を利用する。電磁誘導とは、コイルに高周波を流すと磁界が発生し、その磁界の中に適正な位置で同じようなコイルがあると、そのコイルにも電流が流れる現象だ。他にも強力な電波を利用する方式や、コイルやコンデンサを利用した共鳴式などがある。共鳴方式の利点は、電磁誘導方式より距離が離れても、あるいは受電部・給電部の正確な位置決めをしなくても効率が落ちないことだ。 展示している非接触充電システムは、磁界共鳴方式を採用したもので、プリウスPHV用に開発されている。200Vの家庭用電源でおよそ1時間半でフル充電が可能だという。まず、家庭用の電源を高周波(85kHz)に変換し、駐車スペースに設置した給電コイルに流す。車の方は、車体下部に受電コイルと、受電した高周波を充電用の直流に整流するユニットを取り付ける。バッテリーは特に専用のものでなくてもよいそうだ。 このシステムは2014年には、実用化に向けた実証実験に利用される。実証実験では、車用の非接触充電システムの規格化に向けた検証を行う予定だ。近距離とはいえ、PHV車向けの高出力な磁場を発生させるため、周辺の電子機器や通信機器への影響や、人体への影響、位置決めなど意識しない駐車でも効率よく充電するための方法などを検証するという。
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