トヨタは、HEMS、スマートコミューター、非接触PHV充電など多くの展示を行っているが、CEATECならではの展示として、ビッグデータを活用した交通情報サービスがある。 トヨタは自社の純正カーナビのテレマティクスとしてG-BOOKを展開しているが、同社のビッグデータ活用は、そのG-BOOK対応カーナビを搭載した車をプローブカーとして、リアルタイムの走行情報をクラウドに集約し、自治体、企業、そしてエンドユーザーにさまざまな形で情報を提供する。 ブースの担当者によれば、サービスとしてはすでに始まっており、現在のところ豊田市が試験的にデータを利用しているとのことだ。G-BOOKのビッグデータによってどんなことがわかるかというと、まず、公称300万台(G-BOOKカーナビの出荷台数)というプローブカーによるリアルタイムの渋滞情報が、全国レベルの「面」で把握できる。VICSなどとの違いは、道路上のセンサーやビーコンの情報ではなく、実際に走行した車(プローブカー)の情報なので、VICSに対応していない道の状況がわかる点だ。これは災害時に通行可能な道の把握などに役立つ。 また、自治体などに提供されるサービスは、データだけではない。SNSのような機能もある。道路の状況などを写真に撮ってクラウドにアップすれば、現場の状況の共有も可能だ。 プローブカーからのデータの集約は、トヨタが所有・管理するデータセンターで行われる。このデータから、車両を特定するような情報(登録番号、G-BOOKのアカウント情報)が削除され、個人情報やパーソナルデータに配慮した形に加工される。加工されたデータはパブリッククラウド上に展開され、企業・自治体などに配信される。このパブリッククラウドはマイクロソフトのWindows Azureが利用されている。
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