■見所を紹介!動画レポート
今回会場で紹介されていたなかでも、最も多くの注目を集めていたのが、WiFi・スイッチ統合管理クラウド「Nuclias(ニュークリアス)」についての展示だ。これは、アクセスポイントおよびスイッチをクラウド上から管理するためのプラットフォームとなる。
同社では従来から「D-Link Business Cloud」という形で、アクセスポイントをクラウド上から管理できるソリューションを提供してきた。今回、新たに対応機器にスイッチを加えたことで、無線LANだけでなく、有線LANについても、クラウド管理が可能となる。さらに、対応エリアは従来の国内から、世界へと範囲を広げた。
ディーリンクジャパン株式会社 マーケティングコミュニケーション部 部長代理 小林重臣氏によると、「Nuclias」はこれからのIoT時代に向けて提供していくサービスになるという。
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アクセスポイントやスイッチをより手軽に、直観的に管理できる
「今後はセンサーなどIPに対応する機器とともに、それを集約するネットワーク機器の数も増えることになりますし、パフォーマンスも向上していく必要があります。近年ではセンサー機器において、従来の同軸ケーブルからIPへの移行が進んでいますが、有線と無線が混在している状況にあります。さらには、国内という枠組みを超えて、センサーのネットワークを設置する機会も出てくるでしょう。これらを管理するための統合プラットフォームとしてご提案させていただくのが、今回提供するNucliasです」(小林氏)。
ディーリンクでは「mydlinkクラウドサービス」という、ネットワークカメラのクラウド管理ソリューションも提供してきた。現在アクティブ管理しているカメラの台数は約500万台。「100台、1,000台、10,000台という規模のネットワーク機器を管理できる基盤がある」とのことで、今回提供する「Nuclias」は、その経験と実績を活かしたものになる。
アクセスポイントやスイッチをより手軽に、直観的に管理できる

「Nuclias」によるネットワーク機器の管理設定を、同社では“ゼロタッチ設定”と呼んでいる。大まかな仕組みとしては、スタンダードなコンフィグのプロファイルをいくつか作成。それを、設定するネットワーク機器のグループを設定することで、グループ内にある機器にプロファイルの設定が自動でアップロードされるというものだ。
アクセスポイントやスイッチを設置する際には、あらかじめ機器の固有IDをグループ登録しておけば、電源を入れて、LANケーブルを刺すことで設定が反映され、すぐに使える状態になる。管理者からすれば、文字通り現場には“ゼロタッチ”で、機器を設置できるようになる。故障した機器の交換も、グループに登録した固有IDを交換用機器のものと入れ替えるだけと簡単だ。
さらに、「D-Link Business Cloud」には無かった機能として、新たにグーグルマップと連携。アクセスポイントのプロファイルとともに位置情報を登録することで、各機器の設置場所が地図上で確認できるようになった。何かの問題が発生したときには、地図上で機器の位置を示すフラッグを赤色で表示。直観的にネットワークの状況を把握し、よりスムーズに問題の切り分けがおこなえるようになるという。
トライバンド&スマートアンテナで処理能力と通信範囲がUP

「Nuclias」対応のアクセスポイントとしては、まずサービスインと同時に「DBA-1210P」が提供される。これは11ac対応の2×2無線アクセスポイントで、同社では今年から提供を始めることになる、Wave2対応モデルとなる。このWave2に対応することで、「DBA-1210P」ではマルチユーザーMIMOによる処理能力の向上、ビームフォーミングによるカバーエリアの拡大といった恩恵が受けられるようになった。

さらに、「Nuclias」対応のアクセスポイントとして、年明けにはスマートアンテナ内蔵の「DBA-2620AP」、トライバンド対応の「DBA-2720AP」も提供を予定している。
スマートアンテナは接続中の端末の方向に電波を強めることで、通信速度を向上させるというもの。小林氏によると、20メートルほど離れた機器で通信する際に、従来の機器では通信速度が10Mbps程度だったものが、70Mbps程度まで速度が向上したという。ビームフォーミングはWave2対応の機器同士でないと利用できないが、スマートアンテナはWave2対応機器以外でも利用できるのが大きな魅力だ。
一方、トライバンド対応の「DBA-2720AP」では、5Ghz対応のチップを2機搭載している。一般的なアクセスポイントでは、2.4Ghzと5Ghzのチップをそれぞれ1機搭載しているが、これに5Ghzのチップを新たに1機追加した形だ。これによって機器の収容台数は大幅に向上。W52対応、W56対応とそれぞれ周波数帯が異なるため、電波干渉が起こることはない。
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その他、「Nuclias」対応のスイッチ「DBS-2000-10MP」「DBS-2000-28」も順次提供を予定している。これらの機器を導入すれば、管理画面からアクセスポイントとスイッチを一度に管理し、IPやVLANを遠隔設定できるようになるわけだ。
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なお、スマートアンテナとトライバンド、それぞれに対応するアクセスポイントでは、「Nuclias」対応よりも先に、オンプレミス版のモデルが今年の冬に提供を予定している。こちらはコントローラー「DWC-2000」と組み合わせて利用する形となり、最大256機までのアクセスポイントを管理できる。
10GBASE×6ポート、最大2.5Gbps対応などのスイッチも
その他にも、会場では同社のネットワーク機器について、さまざまな新モデルの展示がおこなわれていた。
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「DGS-3130」シリーズは10G SFP+が4ポート、100/1000/10G BASE-Tが2ポートと、計6ポートの10GBASEポートを搭載しているのが特徴。今後トラフィックが増えていく中で、ネットワークを集約するような使い方を想定したモデルとなる。

また、トラフィック増加への対策としては、レイヤ2Easyスマートスイッチ「DMS-1000-10TP」「DMS-1100-10TS」の展示がおこなわれていた。これは、カテゴリ5eのLANケーブルで、最大2.5Gbpsでの通信を可能にするもの。通信速度に不足を感じているが、屋内配線をカテゴリ6に変更するほどのコストがかけられない場合に、有力な選択肢となる。
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一方、IoT機器を離れた場所に設置する際には、「DPE-302GE」が役に立つ。これは、LANケーブルを最大4連結まで延長するもので、遠く離れた場所にもPoE給電を可能にしたもの。大掛かりな電源工事を必要とせずに、カメラやセンサを設置できる。
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さらに、同社でも初のカテゴリとなる、“産業用スイッチ”についても展示がおこなわれていた。マイナス40度から75度まで動作保証しており、雷サージ6KVに対応。屋外での利用の際にも、環境に左右されることなく利用でき、もし被雷してもケーブル接続しているほかの機器に影響が出るのを防いでくれる。