韓国の元プロサッカー選手カン・ジヨンさんが、4月22日に突然この世を去った。享年35歳。遺族に妻と昨年生まれたばかりの娘がいる。
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カン・ジヨンさんはつい最近にも、テレビ番組を通じて家庭内の葛藤や生活苦を明かしたばかり。そんな彼の訃報は、韓国社会全体に少なくない衝撃を与えている。
カン・ジヨンさんは1989年11月23日に生まれ、大学を経て2009年に浦項(ポハン)スティーラーズに入団した。現役時代はプロとセミプロのクラブを渡り歩き、2022年を最後に引退した。
カン・ジヨンさんはIZ*ONE出身の歌手クォン・ウンビのいとことしても知られた。実際、2018年にはクォン・ウンビがMnetオーディション番組『PRODUCE 48』に出演した際、彼女への投票を促すSNS投稿をするなどし、クォン・ウンビのIZ*ONEデビューを応援下こともある。

古巣クラブ、Kリーグも追悼
そんなカン・ジヨンさんは引退後、韓国中西部・忠清南道(チュンチョンナムド)の化学物質製造工場で働きながら生計を立てた。
今年2月には、JTBCの離婚バラエティ番組『離婚熟慮キャンプ』(原題)に妻と出演。妻との確執や金銭問題、精神的苦痛などを赤裸々に語った。
番組内で、カン・ジヨンさんは「軍隊に行く前まで通帳を両親に預けていた。それが原因で妻との対立が深まった」「寝ている間に死ぬことが願いであるほど、人生が大変だ」と吐露していた。
放送当時、カン・ジヨンさんは“極端な選択”を示唆するような発言を何度も繰り返し、妻も夫が実際に試みようとしたことがあると主張した。この放送内容は視聴者の間でも議論を呼び、彼の精神状態を懸念する声も上がっていた。
現在、カン・ジヨンさん夫妻の映像はJTBCによって非公開に切り替えられている。JTBC側は「故人と遺族に対する配慮のための措置」と説明している。

カウンセリング専門家のイ・ホソン教授はカン・ジヨンさんの生前、番組内で「夫(カン・ジヨンさん)はお金で親孝行をすでに果たした人だ。忘れることが楽になる」と助言していた。ただ、カン・ジヨンさんの内なる苦しみが最終的に癒やされることはなかった。
今回の訃報を受け、イ・ホソン教授は「熱く、熾烈に、そして善良に生き、惜しくもこの世を去った方を追悼します。残された家族のために祈ります。涙の先に希望がありますように」とメッセージを残した。
カン・ジヨンさんの古巣チームである富川(プチョン)FC 1995は、「2016年にキャプテンとしてチームに献身してくれたカン・ジヨン選手を記憶する」と追悼。彼が在籍した浦項、釜山(プサン)アイパーク、仁川(インチョン)ユナイテッド、江原(カンウォン)FC、金浦(キムポ)FC、天安(チョナン)シティFCなどのチームも、公式SNSを通じて追悼の意を表した。
Kリーグを主管する韓国プロサッカー連盟もまた、黒の背景にカン・ジヨンさんの現役時代の写真を添えた画像を投稿し、「謹んで故人のご冥福をお祈りいたします」と哀悼の意を表していた。
【相談窓口】
一般社団法人日本いのちの電話連盟(電話、メール相談可能)
TEL:0570-783-556=ナビダイヤル 午前10時から午後10時まで
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