情報通信研究機構(NICT)は17日、自律飛行する「小型無人飛行機」とソーラーパネル・蓄電池一体型の持ち運び可能な「無線基地局」(ソーラー可搬基地局)を組み合わせた、長距離の無線中継通信実験に成功したことを発表した。 大樹町多目的航空公園(北海道広尾郡)で6月に実施されたもので、5日間で(雨の日を含む)計30回の飛行実験が行われた。この結果、飛行機から最大約15km離れた地上局との間で通信が可能であること、さらに、ソーラー可搬基地局と組み合わせることで、災害による孤立地域内でも商用電源なしで一斉緊急通報や安否確認などの通信サービスが利用可能であることが確認された。 この実験は、災害時などでの迅速な通信手段確保が必要な場合を想定したもので、“無線通信”の強みを生かした災害に強いネットワークの研究開発につなげるものだ。その結果、最大15kmの距離(飛行機と地上局間)の無線通信に成功した。これにより、商用電源をいっさい使用することなく、ソーラー可搬基地局周辺に無線LANゾーンを提供できるとしている。ソーラー可搬基地局は「耐災害メッシュネットワーク」の機能を備えているため、災害時にインターネットへの接続が不可能な状況にあっても、孤立地域(無人飛行機経由)を含めた地域内での一斉緊急通報や相互の安否確認、メール交換、位置情報共有などのサービスの利用が可能とのこと。 2機の無人飛行機を同時に飛行させて順番に経由させれば最大45km程度まで、無線通信が延ばせる可能性もあるという。今後は、山間部や起伏のある地域での通信実験や商用電源に頼らない長時間運用実験など、より実際の災害時を想定した実証実験を積み重ねることで実用化につなげていく予定。
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