IPv6問題に関しては、「まだまだIPv4は、最低でも5年くらいは生存するだろう。ただ、v4が枯渇しているのは事実で、アドレスを共有することが必須。一つのアドレスを一つのアクセスユーザー/家庭で使うのではなく、複数のユーザー/家庭で使う仕組みが必要になる」と分析し、「IPv4 over IPv6テクノロジーを一つのキーテクノロジーと考え、積極的に進めてきた」とのこと。同社では、「IPv4 over IPv6テクノロジー」を、孤立しているIPv4ネットワーク同士をIPv6ネットワーク経由で橋渡しする技術としている。
サービスグレードの観点からみた時、「今あるブロードバンドサービスで行われている、IPv4グローバルを動的に割り当てるサービスを基準とすると、単にIPv4アドレスを共有するだけのサービスは明らかにグレードが落ちる」「IPv4+IPv6、いわゆるデュアルスタックが現状で最もグレードが良いが、中々簡単には提供できない」といった問題がある。そのため、「IPv4アドレス共有をIPv6で行い、かつIPv6も提供するというのが有効。サービスグレードでみても、これまでのブロードバンドサービスと遜色のないものがほぼ提供できる」という。「IPv4 over IPv6」技術で鍵となるのが、エッジの部分。つまりホームルータにどういった機能を追加し、それに対してどのようにプロビジョニング(開通作業)を行うか、ということだそうだ。この点について、若干ハードルは高いが、解決の目途は立っているとのこと。「困難なポイントは多いが、v4アドレス枯渇後にアドレス共有が必要であり、『IPv4 over IPv6』がそのスマートな解決法である限り、それに向かって邁進する」としている。