MWC 2013、25日の基調講演に登壇したチャイナモバイル会長 Xi Guohua氏は、中国におけるモバイル市場の動向と自社の戦略について語った。 チャイナモバイルは、2013年現在で契約者数が7億1,000万人ともいわれる世界最大級の通信事業者だ。そのように紹介されたGuohua氏は、中国でもICTやモバイル革命が既存のビジネスや通信事業者に大きなインパクトを与えていると述べた。チャイナモバイルでも、インターネットトラフィックのほとんどがスマートフォンによるものであり、収益もスマートフォンに関連するトラフィックに依存しているという。 その結果、トラフィック管理も重要ながら、プレーヤーの多いスマートフォンビジネスでは、競争も激しくなっているそうだ。ビジネスの価値も回線からコンテンツ、PSTNからインターネット、音声からデータ通信へのシフトが進んでいる。スマートフォンユーザーの増加と収益が比例しない状況もある。つまり、世界の通信事業者と同じ状況にあるということを強調した。 しかし、ICTによる技術革新は新しい機会も与えてくれるものだとし、チャイナモバイルとしては4つの分野に注目し、今後のビジネスを展開していくという。 ひとつは、「スマートパイプ」として4G LTEなど新しい通信回線を挙げた。次に拡大するモバイルアプリケーション市場に対応するためのオープンプラットフォーム。3つ目は、NFCや音楽サービス、決済など契約者に新しいサービスを提供すること。4つ目は、契約者にべストなユーザーインターフェイスを提供することとした。 スマートパイプの施策として、チャイナモバイルでは、2013年中に100都市でTD-LTEのサービスを開始するとし、同年中には100万台規模の対応端末を普及させたいとした。また、157万アプリで2億弱のダウンロード数を誇る世界最大規模のアプリケーションストアを構築する。そして、ユーザーインターフェイスのサポートとして、端末製品の充実を掲げた。そのプランによると今年度中に1,200万台の端末セールスを目標とし、第3四半期にはTD-LTE端末の市販も開始する予定だ。さらに、独自ブランドのTD-SCDMA端末もリリースするとした。 なお、TD-SCDMAはチャイナモバイル独自といってよい通信方式だが、LTE端末の充実とともに、3G端末のリリースは、ボリュームゾーンである3Gユーザーのサポートという意味もあるものと思われる。
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