(1)ベースバンドプーリングは、ユーザーの分布に応じて柔軟にリソースを割り当てる技術だ。基地局は、大きく基本の信号処理を行うベースバンド装置と無線処理を行うRFモジュールという2つの装置から成り立っている。この2つをひとつの基地局に置くというのが、従来の方法だ。同社では“ベースバンドプール”を設けるところが異なる。つまり、ベースバンドをRFとは別のビルの中に積み上げ、RFモジュールだけを基地局のそばに配置、光ファイバでベースバンドと接続する。「NTTドコモがRRE(Remote Radio equipment)としてRFとベースバンドを切り離す提案をしているが、それより一歩進んでいる」と小久保氏は力説する。ある時間帯に基地局Aが混んできた場合には、Aがベースバンドの80%の能力を使い、基地局Bが混んできたらBが80%を使用すると言った具合に複数の基地局がベースバンドを共有可能になっている。これによりリソースの有効活用が可能になるという。
現在、同社は 日本では大きくソフトバンクモバイル、NTTドコモ向けにビジネスを展開。ソフトバンクモバイルにはFlexi Base Station(3G基地局)を、NTTドコモには無線基地局を納入し、パナソニックモバイルコミュニケーションズと協業する形でLTE無線基地局装置の納入サプライヤにも選定されている。