NECは「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO 2009」の会場で、OpenFlowを応用したデータセンター向けのスイッチ制御技術を公開していた。OpenFlowはフロー単位でパケットを制御するプロトコルで、オープンソースで開発されているものだ。 デモを行っていたのは、スイッチの制御にOpenFlowを利用した、データセンター向けのトラフィック制御システムだ。データセンターの仮想化やマルチテナントに対応するため、サーバごとやスイッチごとの経路制御だけでなく、「フロー」と呼ばれるタグLANのようなプロトコルで細かく制御しようというものだ。 OpenFlowでは、MACアドレス、IPアドレス、ポート番号などの情報でVLANタグを生成する。このタグ(フロー)によって、仮想化やマルチテナントが進むデータセンターのサーバのトラフィックを任意の仮想化レベルで制御しようというもの。展示システムでは、OpenFlowトラフィックの可視化された管理ツールも用意され、サーバのトラフィックの状態をモニタリングしながら、サービスごとの経路をGUIでダイナミックに切り替える機能を紹介していた。 写真のように、管理画面からトラフィックのアニメーション部分をマウスでドラッグし、空いているスイッチのほうに移動させると、実際の経路も切り替わる。すると、それまでブロックノイズだらけだったストリームデータの画像が、スムースに流れるようになった。 応用範囲は、データセンターのほか、キャンパスネットワークで研究やゼミごとにスイッチングしたり、通信キャリアがFMC用のVLANをシームレスに構築することなどが考えられるという。製品化は2010年末を予定している。