「Data ONTAP 8」では、「Data ONTAP 7G」の機能として継承され拡張されたものとしてアグリゲートがある。複数のRAIDグループを単一のリソースとしてまとめるストレージプールだが、アドレス空間を64ビットに拡張することで従来のアグリゲートの16TBという制限を超えた。またクラウド環境では必須となるマルチテナンシーとデータモビリティーを実現するData Motionが実装された。新機能として紹介された「NetApp Data Motion」はアプリケーションを稼働させた状態でデータ移行を可能にし、物理・仮想環境のどちらにも対応するもの。古くなったストレージの廃棄やメンテナンス時など、ダウンタイムを不要にする。
クラウドで必須となるマルチテナント環境の構築については、MultiSoreとFlexShareという機能が紹介された。MultiSoreは単一のストレージシステム上に複数ドメインや複数サーバを統合することができる機能。FlexShareはData ONTAP 7Gのリソースシェアリングツールで、1つのストレージシステム上で稼働する複数のアプリケーションのワークロードに対して優先度を割り当てることができる機能だ。たとえば「顧客Aのある時間帯に関してはオラクルのバッチ処理が走るので、ここに対してはCPU、ディスクIOあるいはバッファキャッシュとしてのメモリといったリソースを優先的に割り当てることができる」(阿部氏)。MultiSoreとFlexShareにより、ストレージリソースの論理分割によるセキュリティー確保、FlesShareにより特定の仮想ストレージ領域の優先順位付けと負荷の調整が可能になる。これらの機能にデータモーションを組み合わせることによって、限られた物理リソースを状況に応じて最大限活用することがきるようなる。「NetApp Data Motion」は2010年第1四半期に提供開始予定となっている。