今回の実験では、あらたに開発したスケーラブルなコーデック変換機能や国際標準化に成功したMPM(Management of Performance Measurement for NGN)機能を、セッションボーダーコントローラー(SBC)に実装し、これを日中韓次世代ネットワークテストベッド(CJK-NGNテストベッド)に設置して行う。セッションボーダーコントローラーはNGNを相互に接続する装置で、多くのNGNサービスの制御に適用されるSIP(Session Initiation Protocol)実装の差分吸収や、音声や映像メディアのコンバージョンなどを行うことで、異なる事業者が提供する端末間の通信を可能とするものだ。OKIの検証用ラボとCJK-NGNテストベッドとを接続してSBCを使用。サービス端末に応じた動的なコーデック変換を実現するとともに、独自の機能配置により、きわめて短い変換処理遅延を実現するSBCを活用した、コーデック変換機能の性能検証を実施する。また、MPM機能の一部をSBCへ実装することにより、端末エンドトゥエンドのサービス品質に基づく、メディアのセッション制御やサービスの受付制御に関わる検証を、KDDI研究所とともに実施する。今回の実証実験の進展によって、NGNの国際標準化のリーダーシップの発揮とNGN本格運用に向けた成果の活用が期待できるとのこと。なお研究の成果を含むセッションボーダーコントロラーは、「CenterStage(センターステージ)NX3200」という名称で OKIから製品化されている。
《冨岡晶》