レッドハットは21日、Linux OSの最新版「Red Hat Enterprise Linux 5.3」の提供を開始した。仮想化機能のスケーラビリティの大幅な向上、Intel Core i7(Nehalem)プロセッサのサポートに対応した。
Red Hat Enterprise Linux 5.3では、x86-64アーキテクチャの仮想化機能を、32仮想CPU、最大80GBのメモリーサポートまで向上した。また、物理サーバのスケーラビリティも向上しており、最新のハードウェアにおいて最大126CPU、1TBのメモリをサポートできるようになった。ページテーブルの仮想化によって発生するオーバーヘッドを縮小する「Extended Page Tables」(EPT)やHugepageメモリーなどの新機能により仮想サーバのパフォーマンスを大幅に向上させるという。さらに、従来より多くのI/Oデバイスを仮想サーバに割り当てることができるため、厳しいI/O要求のアプリケーションを仮想化できるようになる。
またフルオープンソースのJava SE 6環境「OpenJDK」を統合しレッドハットが直接サポートする。OpenJDKは、もっとも利用されているサン・マイクロシステムズのJDKと同じコードベースとしており、Java SE 6 TCKによるテストを通過しているため、Java SE 6および以前のバージョンのJavaで開発されたアプリケーションを実行可能。そのほかカーネルやデバイスドライバ、デスクトップのネットワーク機能やGFS2ファイルシステムなど、同梱のオープンソースソフトウェアへのアップデートを含む150以上の追加・修正が行われているという。
ライセンスは無償で、テクニカルサポート、製品アップグレード、修正プログラムの提供を含む年額のサブスクリプションとなる。同バージョン内の互換性は維持されており、サブスクリプションを購入済みのユーザは、無償でRed Hat Enterprise Linux 5.3にアップグレード可能となっている。価格はCPUソケット数/仮想化ゲスト無制限の「Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform」が1台あたり204,750円(税込)から、2CPUソケット/4仮想化ゲストまでの「Red Hat Enterprise Linux 5」が1台あたり101,640円(税込)から、2CPUソケットまでの「Red Hat Enterprise Linux 5 Desktop」が25台あたり288,750円(税込)からとなる。
《冨岡晶》