「富士通フォーラム2008」の展示会場で、「ブレードサーバとストレージの電力制御による消費電力の削減」というテーマのデモが行われている。 ブレードサーバの個別電源制御機能とストレージ側のMAID(Massive Arrays of Idle Disks)技術とを組み合わせ、さらに管理ツールである「Systemwalker Opration Manager」で制御することで実現しているものだ。基本的なアイデアはごく単純で、「使われないことが明らかなHDDドライブの電源を止め、回転させない」という手法になる。ノートPCではバッテリー持続時間を稼ぐために普通に使われている手法だが、これをエンタープライズ・システムに適用した点が昨今のグリーンITの動向の反映と言える。 デモの構成では、PRIMERGYブレードサーバ5枚に対し、ETERNUS2000 SANストレージが接続されており、それぞれのブレードに対してドライブが割り当てられてSANブート構成になっていた。この状態で、仮にブレードのうちの4枚が昼間稼働する業務サーバで、夜間は停止されるとしよう。一方、ディスクドライブの一部はバックアップ用で、深夜にバックアップジョブが走るタイミング以外にはアクセスが発生しない。このように、システムごとに利用時間が明確になっている場合、利用時間外には電源を切ってしまうことで省電力が実現できる、というのがこの技術の直接的なメリットとなる。 従来どおりに全デバイスを24時間連続稼働させるのに比べ、もっとも電力を消費する昼間の業務時間内でも、バックアップ用HDDを停止させた事による節電効果が生まれる。さらに業務時間が終了すると、業務用のブレードサーバが停止し、さらにブレードに接続されて利用されていたHDDが停止するため、より大きな消費電力削減が可能になる。一方、バックアップが開始されるとバックアップ用のHDDが通電され、起動されることで消費電力が増えるが、常に必要最小限の電力でシステムが運用されていることに変わりはない。 なお、上記のような業務スケジュールに応じた電源制御はSystemwalker Operation Managerでユーザーが任意のスケジュールを設定して実行できる。さらにサブモジュール的な位置づけで、ブレードサーバの電源操作を行う「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition」および、ストレージのエコモード操作を行う「ETERNUS SF Storage Cruiser」が組み合わされ、自動的な電源管理が実現されている。