イベントには是枝監督をはじめ、脚本家の坂元裕二、主演の安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太が参加。大きな拍手に迎えられながら、レッドカーペットを歩いた後、着席し上映が開始となった。
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そして、映画本編が終了し、エンドロールに入ると、2200人もの観客を収容する会場からは拍手が起こり、坂本龍一さんへの追悼文が流れた際には、さらに割れんばかりの大きな拍手が沸き、敬意を表するような歓声もあがった。その後も9分半にもわたるスタンディングオベーションが続いた。その間、是枝監督は少しホッとしたような表情を見せながら、大きく会場内を見渡し、おじぎをしながら称賛にこたえ、両脇の安藤と永山ともハグをし、言葉を交わし、その喜びを分かち合った。また脚本家の坂元ともしっかり肩を組み、『怪物』が多くの観客に届いた手応えを確かめ合い、称えあった。
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スタンディングオベーションの後、マイクを渡された是枝監督は「こんなに多くのスタッフとキャストに支えられて作ることができました。まずはそのスタッフとキャストに感謝します。そのスタッフとキャストの多くが今日ここに集まってくれたことがすごくうれしいです。でも色々な事情でみんながここに集まるわけにもいかなくて、でもここに来られないスタッフとキャストの思いもここ(胸に手をあてて)に抱いて今ここに立っているつもりです。戻って皆さんのこの拍手と、皆さんの顔を、ここに来られなかったチームのみんなに報告したいと思います。とても良いワールドプレミアになったとおもいます。有難うございました」と語った。
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また、公式上映後、スタンディングオベーションについて聞かれた坂元は「胸が震えるような思いがしました」と喜びをコメント。永山も「まずは本当に感謝したい。是枝さん坂元さんさくらさん皆さん含め怪物に携われたことが今まで俳優やって来れて良かったなと思いました」、安藤も「地響きのような拍手で圧倒されました。監督の姿を目に焼き付けようとずっと監督をみていました。なにより主役の(黒川)想矢と(柊木)陽太と一緒に感じられたら良かったのになと思いながらいました。夜遅い時間での上映だったので、2人が一緒にいられなかったのが、もやもやっとしました。しっかり2人に伝えたいなと思います」と思いを語った。