冬の鍋の王様と呼ばれる“ふぐちり”を、熟成昆布の出汁や塩、こだわりの特製ポン酢で味わう「天然とらふぐ鍋」。そんな絶品鍋を、一足先に実食した感想をレポートする。


「築地KATTE鍋」は、コロナ禍などの影響で大きな打撃を受けている築地市場を救うべく立ち上がったプロジェクトにより開発された“お取り寄せ鍋”シリーズ。毎月「ほおばるブリしゃぶ」(税込4,500円)、「とろける たら白子鍋」(2人前/税込6,000円)などの旬の食材を使った鍋が販売され、ネット予約すると、築地の仕入れ状況に合わせた「受取日」に、各鍋のフルセットを自宅まで配達してくれる。


今回販売される「天然とらふぐ鍋」のセット内容は、メインの「天然とらふぐ」の身・アラ・皮と、「野菜(白菜・春菊・長葱・シイタケ・河豚葱)」「豆腐」「餅」などの具材、締め用の「平打ち蕎麦」、このほか「熟成利尻昆布」「塩」「ポン酢」「薬味(鴨頭葱、紅葉おろし)」などの調味料が入ったフルセットになっている。こちらの写真はボリュームたっぷりだが一人前の量だ。販売は2人前からとなる。


こちらが、今回の鍋のメインとなる「築地魚政」の「天然とらふぐ」の身、アラ、皮。天然のふぐはストレスがなく悠々と泳いで育つため、身がプリッと締まって甘みも増すとのこと。白菜、春菊、長葱、シイタケなどの「野菜」は、季節の野菜や京野菜を扱う築地の青果物店「山伝」のものだ。

1年ごとに雑味が抜けて旨みが深まるという「昆布」は、築地の昆布商「吹田商店」で7年間育てられた利尻産の熟成昆布を採用。「豆腐」は明治34年創業の料理人もほれ込む「とうふ杉寅」から仕入れ、「特製ポン酢」は「築地魚政」が焼いた昆布と橙酢、醤油などを合わせて1週間寝かせ、フルーティーな味わいに仕上げた、こだわりの逸品になっている。


さて、どんな味がするがとっても楽しみ! ということでレシピ通りに調理を開始。まずは、鍋に水を張り、昆布を入れ出汁を沸かす。沸騰したら昆布を引き上げ、ふぐのアラの部分を入れて旨味を出す。



続いて、白菜や豆腐などの具材とふぐの身を入れ、アクを取りながら煮る。この食材が煮えるまでの待ち時間に、ふぐ皮に葱とポン酢を付けて、つまみながら待つのもありとのこと。さっそく、ふぐ皮をカットして食べてみると、コリッとした食感とポン酢の味が効いて美味~!「最高の食の瞬間」を感じることができて幸せだ。


ふぐの身は煮過ぎると硬くなるため、火が通ったら早めに食べるのがポイントとのこと。まずは、出汁と塩少々を皿にとっていただくと、甘みがあって非常に柔らかく、絶品だ。アラも骨周りにぷるぷるとした脂が乗っていて、贅沢な味わい。特製ポン酢を出汁で割り、紅葉おろしや、刻んだ鴨頭葱を加えるなど、いろいろなバージョンの味を楽しめた。


ふぐのほか、白菜や葱なども天然の甘みが感じられ非常に美味しかったが、ひときわ感動したのは老舗豆腐店「杉寅」の豆腐だ。もっちりとした食感で大豆の旨味が味わい深く、特製ポン酢との相性も抜群だった。

餅や野菜などの具材を食べ終えたら、締めの「平打ち蕎麦」を煮る工程に。出汁の量が少ない場合は水を追加し、塩を好みの加減に調整しながら入れる。蕎麦のゆで時間はわずか40秒。こちらも塩で味わった後に、ポン酢で味変するのがおすすめだ。


月替りのお取り寄せ鍋「築地KATTE鍋」の「天然とらふぐ鍋」は、一つ一つの食材に、生産者や仕入れの方の“究極のこだわり”が感じられる絶品鍋だった。個人的には、ふぐの身は塩×出汁で、ふぐ皮は特製ポン酢×ネギでいただくのが好みだった。
同商品は、締めにお蕎麦がついてるため、ちょっと贅沢な年越し蕎麦としてもおすすめだ。ボリューム的にも、お餅や蕎麦まで食べるとかなり満腹になるので、お正月のご馳走鍋として楽しむのもいいかも。