写真レタッチ向け本格ディスプレイ「BENQ カラーマネージメントディスプレイ」
台湾のメーカーであるBENQは日本でもディスプレイメーカーとして有名だが、今回はフォトレタッチ向けの高画質ディスプレイを展示していた。「カラーマネージメントディスプレイSW-2700PT」は、ハードウェアキャリブレーションに対応し、Adobe RGB色域を99%カバーし、ハイクオリティな表示能力を持ち、カラーマッチングソフトウェアや遮光フードまで付属しながらアマゾンで6万9800円とリーズナブルだ。この種のディスプレイは普通、20万円以上しそうなので買いやすくていい。さすがはBen-Qという感じ。撮影した画像がどう表示されるか?で映像の評価は変わってくるし、伝えたいものが伝われないかも知れないので、カメラ好きであれば高性能なディスプレイは必需品だろう。
また、エックスライトというカラーマネージメント関係のメーカーのハードウェアキャリブレータも展示されていた。これはディスプレイの表示色を分析し、現実の色に補正するために使われる。
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拡張していく関連産業と市場バランス
デジカメはこの数十年で大きく進化して、完全に一眼レフを含めたカメラ市場を置き換えるものになった。これによってかつてのフィルム時代とは異なるさまざまな関連産業も発達することになった。正確な色を表現するためのディスプレイ、フォトレタッチソフトやそれを動かす高性能パソコンも必要だ。かつてはカメラメーカーとフィルムメーカーを中心にしていたカメラ産業はより膨大なものに膨れ上がっていっている。
そんななかでそれを購入、利用するユーザーのリソース(お金)はそれに合わせて膨大に膨れ上がるものでもない。という状況下でプレイヤー(メーカー)はゲームを進めていかなければならないのだ。それはかつてのようにカメラだけの超高価格化を許さないだろう。これからのカメラ界での成功は以前よりもさまざまな要素を考慮していかなければならず、退場する者も出てくるのかも知れない。今回のCP+ではそんなことを考えさせられた。

作家・ITジャーナリスト。雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスONE」編集長などを経て現在にいたる。小説「パッセンジャー」で10年以上前に河出書房新社から作家デビュー。IT関連など著書50冊以上。最近はYouTubeでチャンネル登録者10万人を目指している。