4年先の未来を占う祭典に、初めて日本パビリオンが登場
4YFNはその名前の通り“これから4年先の未来”に活躍するスタートアップ企業をハイライトすることを目的に始まったイベント。今年は6月に上海、9月にロサンゼルスでも開催を予定している。

4YFNは近年、MWCの期間に合わせてバルセロナ市内中心部の会場で催されてきた。世界各国のスタートアップが「カタルーニャ」「イギリス」「フランス」「韓国」といった国や地域単位で集まって参加していたのに対して、これまで日本からは参加社自体はあったものの、国単位でその活躍とイノベーションが見渡せる形にはなっていなかった。ところが今年は7社の企業が集まる日本パビリオンが誕生して、会場で注目を集めていたのだ。

音頭を取ったのは参加社の中の一社であるアクアビット スパイラルズ。同社のファウンダー兼CEOである萩原智啓氏に日本パビリオンが実現した経緯をうかがった。
「当社は近年4YFNに続けて参加してきました。昨年は主催社から招待を受けて参加して、4YFNアワードのIoT部門でトップ8のファイナリストにも選出されています。おかげさまで多くの反響を得て、手応えも感じているのですが、日本の参加社がまとまった形で4YFNに出展できていないことを残念に感じていました。そこで今年は出展前に国内のスタートアップ企業に呼びかけて、7社様の賛同を得て一緒に日本パビリオンを立ち上げることができました」(萩原氏)。

4YFNにブースを並べるスタートアップの多くは国や地域、または大手企業の支援プログラムを後ろ盾にまとまった形で出展しているのに対して、日本パビリオンはあくまでアクアビット スパイラルズの呼びかけに賛同した有志により実現したという点が面白い。反対に言えば、ぜひ日本でも政府が国内スタートアップの海外進出を積極的にバックアップして、有望な技術やアイデアがグローバルに羽ばたく機会を数多く実現してほしいものだ。
萩原氏は日本パビリオンを形にしたことの手応えを確かに感じているようだった。「単独で出展した場合と明らかに注目度が変わります。4YFNへ視察に訪れる方々とのコンタクトや、同じ出展社どうしのネットワーキングにも、より広がりと可能性が生まれています」という萩原氏。イベント終了後の反響も気になるところだ。