電源コードに足をひっかけて、デスクトップPCを倒してしまったりした経験がある人も多いだろう。この場合、本体へのダメージ以外に、急な電源OFFによるハードディスクのデータや、それまでの処理や作業が無駄になるダメージの方が大きいこともある。 サーバールームやデータセンターでは、サーバーやPCはラックに固定されていることが多いので、本体が落っこちるといった事故はまずないが、メンテナンス中などに間違って電源コードをひっかけたりした場合、稼働中のサーバーを止めてしまったり、データを破壊してしまったり、深刻な問題になることもある。 そんな事故を防いでくれそうなのが、エイム電子が「Interop Tokyo 2016」で展示していた「抜け防止 ロック電源ケーブル」だ。外観は普通のアースピン付きの3P電源ケーブルだ。PCやサーバーなどにAC100Vを供給する普通のケーブルと互換性があり、既存のものを置き換えることができる。 ポイントは電源にユニット差し込む電源ケーブルのコネクタにロック機構が内蔵されており、抜くときのひっぱる力がかかっても、内部のピンが抜けないようになっている。ロックをかけるのはアースピン。原理は、いろりの上に鍋などを吊るす「自在かぎ」とほぼ同じだ。自在かぎでは、鍋の高さを任意の位置で調整するため、斜めの棒が垂直の棒(ロック電源ケーブルではアースピンに相当する)の任意の位置で、垂直棒が鍋に引っ張られる力を利用して固定される。 つまりロック電源ケーブルも、抜こうとして引っ張る力が加わるほど、ロック保持力が高まるしくみになっている。そのため、電源ケーブルを持って、サーバー本体を持ち上げることさえできる。実際にそんなことはしてはいけないが、ブースではデモのためPCが電源コードだけで吊るされていた。 くれぐれもよいこはマネをしないように。