KVMスイッチのKNシリーズは、IP接続によってインターネット経由でリモートコンソールを実現する機能がついたマルチユーザー、マルチポート製品だ。同時接続できるユーザー数は、2ユーザー、4ユーザー、8ユーザー、接続できるサーバーポートが16、32、64ポートという設定のなかから、用途に応じたモデルを選べるようにラインナップされている。
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ATENブースの展示
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IP-KVM、8ユーザー、64ポートの製品(写真左)、IP-KVM、2ユーザー、16ポートの製品(同右)
同社のIP-KVMシリーズの特徴は、リモート接続でも画面の解像度が、1920×1200まで対応することと、リモート側のUSBメモリなどを接続されたサーバーの外部メディアとしてマウントできる機能、そしてUSBケーブルでノートPCをコンソールとして接続できるポートを備えている点が挙げられる。
PDU(サーバーラック内のAC電源タップ)は、温度センサーや消費電力監視機能、リモートON/OFF機能などをサポートしたインテリジェントなものだ。このようなPDUは、データセンターの環境基準を満たすため、効率的な遠隔操作を行うために必須である。
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インテリジェントPDUの構成例
ラックサーバーやスイッチによっては、コンソールの接続がシリアルポートに限定されるものもある(L3スイッチに多い)。このような場合、DSubコネクターやPS/2コネクターの接続を集約するKVMスイッチではなく、シリアルコンソールサーバーを利用する。同社のブースでは48ポートの製品がデモ展示されていた。
ATENブースの展示のもうひとつの特徴は、これらサーバーやスイッチなどを統合管理に、映像ソリューションも組み込んでいることだ。KVMエクステンダーは、サーバー部分とコンソールの距離が離れているが、インターネットを利用するほどではないときに利用するものだが、同社のKVMエクステンダーKE6900は、映像信号(HDMIや音声インターフェイス)も同時にLANケーブルで延長できるようになっている。放送関係、医療現場、デジタルサイネージなどの用途に使われるそうだ。なお、この製品はBest of Show Award ガジェット部門で審査員特別賞を受賞した。
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KVMエクステンダーのサーバー側端末
また、VM1600というビデオマトリックススイッチャーは、HDMIやDVIなど4ポートずつ備え、最大16台の映像ソース(PC、カメラ、映像機器)の切り替えができる製品だ。出力は4×4のビデオウォールにも対応する。切り替えは、本体パネルのスイッチで行うが、制御ソフトがタブレットにも対応しており、タブレットで画面レイアウトの設定や切り替え、インテリジェントPDUの操作などがGUIでできるようにもなっている。タブレットを使う場合は、VM1600に別売のコントロールシステム用のユニットVK2100と接続し専用アプリでプログラミングされたタブレットをWi-Fiでつなぐ。VM1600の下位モデルのVM5404Hは、今回のInteropのNOC(Network Operation Center)の監視画面にも使われているそうだ。
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ビデオウォールによるオペレーションセンターの画面デモ
また5月30~6月3日に台湾で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2016」にATEN INTERNATIONALが出展した模様を、今回のブース内に設置された大型モニターなどで放映している。