土砂崩れなどの現場で復旧や救助活動をする際に注意しなければいけないのが、二次災害による被害。例えば、熊本地震のように大きな余震が続く状況下での活動では、より危険性は高まってくる。 イ・エム・テクノは、東京ビッグサイトで開催された「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2016」の神奈川県との共同ブースにて、同社の火山活動対応地すべり警報システムのデモ展示を行った。 一般的な地すべりセンサーは、杭とワイヤーを使い検知するのだが、斜面に杭を打つ必要があったり、1度地すべりが発生した後は敷設し直す必要があり、2次災害の防止という観点では対応が難しかった。 しかし、同システムのセンサー部は、超低速加速度センサーと傾斜センサーを使ったボックス型となっており、くい打ちなどを必要とせず、置くだけで地震や地面の傾斜の変化などの異変を予測することが可能だ。 同システムは、神奈川県による「火山活動対応ロボット緊急開発プロジェクトチーム」の支援により実用化されたもので、火山活動で近付くことが難しくなった大涌谷の谷内部に設置され、地すべりの兆候を把握していたという。 運用の流れとしては、ドローンを使い、警戒地域にセンサー部を投下し、設置。その後は、センサーが地すべりの兆候を把握し、400m以上離れた場所へ無線通信による警報を発信するシステムを構築する。 センサー部は、ドローンからの投下にも耐え、地熱による故障、火山ガスや温泉成分による腐食に強い仕様になっている。 ちなみに投下時に逆さに落ちたり、斜めに落ちることも想定されるが、操作器のボタンを押せば、傾斜センサーの基準値をリセットできるので、どんな状態で落ちても計測が可能とのこと。 また、センサー部に関しては、投下型だけでなく、持ち運びを想定した小型なものもあり、複数のセンサー部をまとめて運用して、広範囲の観測も可能だ。