石巻市、東北大学災害科学国際研究所、サーベイリサーチセンターの3者は、平成28年11月22日に発生した福島県沖地震における地震及び津波に対する避難行動の状況を把握するために共同調査研究を実施し、結果を発表した。 調査対象は、石巻市本庁区域内かつ平成23年3月11日に発生した津波浸水域に、現在居住する5,000世帯。 同調査により明らかになったのは、避難をしなかったのは、全体の56.5%にまで上り、その中でもそもそも避難すること自体を考えなかった人は、63.2%に及んでいる。 平成28年11月22日に発生した福島県沖地震では、午前6時2分に津波注意報、午前8時5分に避難指示、午前8時9分に津波警報という流れで、注意報&警報が発表され、石巻市からも避難指示が発令されたが、「大きな津波は来ないと思った」や「テレビ・ラジオ等での情報収集を優先した」という理由から、避難しなかったそうだ。 避難手段に関しては、「車」が54.6%に上り、続いて「徒歩」が32%となっている。「車」を避難手段に挙げた人の多くは、「安全な場所が遠い」「車が大切な財産(失いたくない)」という理由が共に4割以上となっており、避難行動の傾向も明らかになっている。 同調査では、他にも総合防災訓練への参加経験の有無や、東日本大震災の被災経験が活かされたかなどの設問も設けられており、防災に関する貴重な調査結果となっている。