27日まで東京ビッグサイトで開催されていた「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2016」において、情報通信研究機構(NICT)は、Twitterに公開されるツイート情報から、大規模災害時の被災状況をリアルタイムに把握するシステム「DISAANA」の最新版と、今夏に公開が予定されている災害状況要約システム「D-SUMM」を参考展示していた。 利用者が簡単に被災状況を発信することができるTwitterは、今日では災害や事件発生時には迅速な情報発信&収集ツールとなっており、すでにテレビや新聞などの既存マスコミも、一個人のツイートを後追いする状況を目にする機会も増えている。 「DISAANA(ディサーナ)」は、ツイートを情報源にして、被災状況の分析・把握することができるシステムで、既にWeb上で一般公開されている。利用者は、被災地の状況を地域や時系列別に把握することができるという。 熊本地震発生以前は日本語ツイートの10%を対象とした運用が行われていたが、地震発生後は全ての日本語ツイートが分析対象となっており、機能が強化された格好だ。 例えば、「熊本県では何が不足していますか?」などと質問を選択して、検索をかけると、指定期間や指定エリアでツイートされたキーワードを抽出し、「水」「ボランティア」といった形で多くツイートされているキーワードを表示する。 一方、参考展示されていた災害状況要約システム「D-SUMM(ディーサム)」は、災害状況を地区別に要約する事を可能としたシステムで、数クリックで助けや支援を求める内容のツイートなどを検出することができるという。 さらに、特定地域の被害状況レポートが自動生成されるため、複数の能動的な通報などを必要とせずに、ツイートによる現場の状況把握が可能となっている。 これにより被災状況の可視化、従来の情報集体制では拾い上げることができなかった、より細かな情報まで整理された状態で収集できるようになるという。 ただし、NICTでは、技術的な限界により発見できない回答候補やツイートもあることをあらかじめ明示しているので利用者側はその点をしっかりと認識しておく必要もあるだろう。