「ランサムウェア」(身代金脅迫型ウイルス)による脅威が、今年に入り急拡大している。個人から組織まで、PCからモバイル端末まで、その攻撃対象が広がっていることがある。 ランサムウェアとは、パソコンやスマホに感染した際、それらの端末を操作不能にしたり、データを暗号化したりして、使えなくするものだ。元に戻すには、指定された“身代金”を支払う必要がある。身代金の受け取りも、匿名サイトを使うなど、足がつかないよう巧妙に準備されている。 2016年に入ってからは、日本語で脅迫するランサムウェア「Locky」、OS X初のランサムウェア「KeRanger」、スマホを狙う「AndroidOS_Locker」などが、日本でも次々と拡散。トレンドマイクロが6日に、「緊急注意喚起-国内民間企業でも被害が深刻化するランサムウェアの脅威」とするブログ記事を公開したばかりだ。 こうした状況を受け、情報処理推進機構(IPA)も13日に、ランサムウェア感染を狙った攻撃に注意するよう、あらためて呼びかけた。 それによると、同団体の安心相談窓口において、ランサムウェアに関する相談が急増しており、4月に入っても、その数は衰えていないという。件数の推移を見ると、1月:11件、2月:17件だったが、3月:96件に急増したとのこと。全体の9割近くが、すでに被害に遭った状態でのものだった。またスマホのランサムウェアに関する相談も4分の1ほどを占めている。 相談または情報提供のあったメールは、以下のような内容のものがあったとのこと。あくまで一例だが参考にしてほしい。対策としては、不用意に添付ファイルを開かないこと、セキュリティソフトなどを導入しつねに最新版に保っておくことなどがあげられる。・メール件名:あなたは、新しい請求書●●●●(数値)を持っています・メール本文:こんにちは!添付ファイルにあなたの配信アドレスを確認してください! ・添付ファイル:追跡番号_●●●●(数値).zip