トレンドマイクロは6日、中国の検索エンジン「百度(Baidu)」のソフトウェア開発キット(SDK)「Moplus」にバックドア機能が搭載されていることを公表した。 「Moplus」には「Wormhole」と呼ばれる深刻な脆弱性があることが確認されている。今回発見されたバックドア機能は、この脆弱性とは関係なく存在していたと見られる。このバックドア機能を使うことで、ユーザー権限なしに、ソケットを通過するメッセージを監視し続ける。 これにより、端末に対しHTTPリクエストを送信するだけで、「フィッシングサイトへの誘導」「任意の連絡先の追加」「偽のショート・メッセージ・サービス(SMS)送信」「ローカルファイルのアップロード」「アプリインストール」などが可能になるという。 Moplus SDKは多くのAndroidアプリに取り入れられており、1億人程度が影響を受ける見込み。またすでに不正プログラムが、Moplus SDKを利用している事例も発見されている。 トレンドマイクロによれば、Moplus SDKが組み込まれたアプリは、計14,112種(バージョン違いや異なるSHA1のものなどを含む)。そのうち4,014が、「com.baidu.browser.apps」「com.baidu.hao123」などのBaidu公式アプリとのこと。Baiduは、この問題について対処を進めているという。