Nokia出身の社員が多く集まり、モバイルプラットフォーム「MeeGo」を起点に独自のモバイルプラットフォーム「Sailfish OS」を立ち上げたベンチャー企業の「Jolla(ヨーラ)」。 今回、筆者はフィンランドの首都ヘルシンキに本社を構える同社のオフィスを訪問できる貴重な機会を得て、Sailfish OSの近況や最新端末「Jolla Tablet」が開発された経緯について、Head of CommunicationsのJuhani Lassila氏にうかがうことができた。■Jollaのヘルシンキ本社を訪ねて ヘルシンキの人口は約61万人。一国の首都としては比較的小さな街だ。筆者が訪れた6月の中旬は、ちょうど夏休みシーズンの手前だったこともあり、平日の昼間ながらも街を歩く人の数はやや少なく、短い夏を謳歌するための準備に心を躍らせているようにも見えた。 Jollaのオフィスはヘルシンキの中心地にある。中央駅からメトロに乗って4~5分ほどの「Ruoholahti駅」で降車。改札口を出てすぐのItamerenkatu通りを渡って、目の前にあるガラス張りの洒落たオフィスビルにJollaのブランドロゴを見つけることができる。 ヘルシンキの大きなビルは、中に入っている企業やショップのテナントの名前が遠くから見てもよくわかるように大きなロゴが並べられていることが多いので、これを頼りにお目当ての行き先が見つけやすい。Jollaと同じビルには、ソフトバンクが買収したモバイルゲームの成長株であるSupercell(スーパーセル)のオフィスもあるようだ。 Jollaは2011年秋に創立された、4年目の若い企業だ。2015年6月時点の従業員数は128名。香港にはJolla Asia Ltd.を構える。NokiaのR&D部門が入っていたというこちらのビルには約2年前ほど前に引っ越してきて、今は営業と商品企画の部門が集い、ヘッドクオーターとしての役割を担っている。ほかにR&Dの拠点をヘルシンキから長距離列車で2時間ほどの街であるタンペレに置く。 オフィスの中へお邪魔すると、広々としたオープンなスペースに従業員たちのデスクが整然と並び、スタッフが伸び伸びと働いているように見える。筆者が訪問した際には、多くのスタッフがインドで開催されているイベントに出張中だったため空席も多かったが、オフィスのアイドルである看板犬のチルダ(♀)が出迎えてくれた。■7月末に最新バージョンの「Sailfish OS 2.0」を公開予定 JollaはSailfish OSの開発の他にも、OSの機能や特長を紹介するためのリファレンス端末も手がけている。その初めてのプロダクトは2013年月に発売された「Jolla Smartphone」だ。 販売は地元フィンランドを含むEU諸国をはじめ、スイス、ノルウェー、ロシア、インド、香港など世界36カ国にて展開。カラフルなボディとスタイリッシュなデザインも人気を博している。 フィンランドと香港ではキャリアによる取り扱いもあったが、今ではほぼ在庫を完売しており、オンラインショップで対応地域を限って販売を続けている。発表・発売以来、Jolla Smartphoneのセールスは非常に好調だという。 Lassila氏は「Sailfish OSは、ほぼ毎月ペースでコンスタントにOSのアップデートを繰り返しながら、新しいフィーチャーをユーザーに提供しています。常にフレッシュな魅力が色あせないところがユーザーの支持を集めているのでは?」と語る。 今年3月の「Mobile World Congress 2015」(MWC 2015)で発表された「Sailfish OS 2.0」では、UIをシンプル化してマルチタスク機能などを追加。Androidアプリとの互換性も高めている。詳細についてはMWC2015のイベントレポートも併せてご覧頂きたい。 最新バージョンへのメジャーアップデートは、リファレンス端末の第2弾である約7.8インチのタブレット「Jolla Tablet」の出荷が始まる今7月末を予定している。
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