5日に閉幕したMobile World Congress 2015。クアルコムは、次世代無線LAN規格“802.11ad”や、近接通信技術“LTE-Direct(LTE-D)”などに関して、最新のユースケースをいくつか展示した。
■災害時の活用も想定される「LTE-Direct」
LTE-Directは、昨年のMWCでもクアルコムが展示していたLTEを用いた近接通信技術。最近では、iBeaconなどが注目を集めているが、BLEを用いるiBeaconの適用距離が数メートル単位なのに対して、LTE-Dではおよそ5、600メートルほどの範囲で端末を発見し、アクションを起こすことができる。広告やO2O目的の利用としては以前から事例が紹介されており、ドイツテレコムやKT、さらにはNTTドコモなどもLTE-Dを利用したアプリのトライアルを実施中とのこと。広域ではLTE-D、より近距離ではiBeaconと言った使い分けも想定されている。さらに今回は、パブリックセーフテイーの領域でも活用可能としてコンセプトアプリのデモもおこなわれていた。具体的にはある災害が起きた際に、消防士などがその周囲5、600メートルの人たちに対してプッシュトゥトークでトランシーバーのように音声を届けたりアラートを出すような使い方だ。LTE-DはPeer to Peerの端末間通信であるため、こうした使い方が可能になる。