19日、NTT武蔵野研究開発センタで開催された「NTT R&Dフォーラム2015」において、NTT 代表取締役社長 鵜浦博夫氏が基調講演を行った。 鵜浦氏は「今年はNTT民営化30周年の年であり、持ち株会社ができてから15年というまさに節目の年といえる」と挨拶し、それまでの変化を振り返った。全体としては最初の15年と次の15年ではまったく異なる15年だったと述べ、とくのこの10年の変化が激しいとした。その変化によって、モバイルサービスは1億5800万台の契約となり一人1台以上端末を持つようになった。固定回線は3600万契約とおよそ7割の世帯に普及している。そのスピードは、モバイルにおいては3Gの384kbpsからLTE-Advancedの225Mbpsとおよそ600倍、固定回線はINSの64kbpsから1Gbpsと16000倍と急激に伸びた。 ネットワーク環境については、固定電話・メインフレームからPCやクライアントサーバー環境に移り、携帯電話が登場したあとにはスマートフォンの普及といった具合に「集中管理」と「分散管理」を繰り返してきた。そして現在は、集中とも分散とも違う仮想化環境とクラウドの時代になったと鵜浦氏はいう。 続けて「クラウド時代では、ユーザーがアプリケーション、ネットワーク、デバイスを自由に選択し、組み合わせることができる。このような状況で競争力とは何かを考えると、NTTは『選ばれ続ける力』であると定義した。そのためネットワークサービスの強化、エンドユーザーや取引先にとって『バリューパートナー』(価値のあるパートナー)になるべく『新たなステージをめざして』という事業戦略を2012年に打ち立てた。」とした。