ソフトバンクは5月7日、2014年3月期の連結決算を公開した。同社の決算発表同日、ソフトバンクが出資する中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングが米国市場で新規株式公開(IPO)を申請したことも明らかになった。■グループ企業も好調 これについて代表取締役社長の孫正義氏は「同社のIPOについて立場上、発表済みの数字以外コメントできないが、私自身としては大変嬉しい。アリババに巡り会えたことはとても幸せだと思う。アリババは世界的規模のインターネットカンパニーになった。株式上場が成功すれば、より透明性と信頼感、安心感をもって世界中のユーザーの信頼を獲得していくことができるだろう。投資家にとっても喜ばしいこと」とコメントした。 子会社であるガンホー・オンライン・エンターテイメントは「パズル&ドラゴンズ」が好調を維持。香港のApp Store、Google Playストアで売上1位を記録したことも発表された。さらにGoogle Playストアの世界売上ランキングでは“パズドラ”が長らくNo.1をキープする中、同社の子会社であるスーパーセルの「Clash of Clans」の売上げが伸び、3月までの半年間で全世界2位に上り詰めた。同社の新作ゲームも好調であることから、孫氏は「トップタイトルは上位を継続。新しいタイトルもヒットチャートを駆け上がっていることから、まぐれアタリではないことを強調しておきたい」と述べた。 またモバイル端末卸売大手のBrightstarについては「ソフトバンク C&Sと加えて、売上高1兆円規模の事業展開が見込まれる。世界中のモバイルキャリアに製品やサービスを提供できる販売網が構築されるだろう」とした。 米スプリントの事業については、売上高が2兆6,010億3,100万円を計上。セグメント損失については12億1,600万円となった。孫氏は「当社のグループに入ってから、業績が急激に改善しつつある。年間での営業利益黒字が達成できる見込みが立った。かつてボーダフォン・ジャパンを立て直してきた時のノウハウが活かせるはず。いま世界で最も利益を出している通信大手であるAT&Tとベライゾンとの競合は容易ではないが、何とかソフトバンク流のマネジメントで、あの手この手を使いながら改善していきたい」と意気込む。■来期の目標は「営業利益1兆円」/売上高予想は8兆円に上方修正 来期2014年度の連結業績予想については、以前の決算発表で売上高7兆円、営業利益(営業利益 償却前)2兆円、一時益を含まない営業利益は1兆円との目標が示されていたが、孫氏は本日、Brightstar社がグループ入りしたことを受けて売上高を8兆円に上方修正した。「わかりやすく、桁のキリよく“兆”で数える規模に成長ができた。来期の営業利益1兆円という目標はかなりの増益を目指すことになるが、自信を持って経営したい。これから20年後の中長期で、どういう事業展開をしていきたいのかというビジョンが大事」(孫氏) 孫氏は今後の事業展開についても抱負を語った。「冒頭に申し上げたとおり、いま私は燃えている。次の目標ができて、何としてもそれを達成したいという思いをしっかりと胸の中に持っている。実現させるために、様々な智恵がわいているところだ。頭の中には夢がいっぱいで、新たな手をいくつも考えている。毎朝起きて、ひとつずつプランを実行していくのが楽しみでしょうがない。戦略の中で取りあえずは先送りするものもあるだろうが、正しい方向に進んでいる限り、必ず目標に辿り着けると思っている。当社の本業はインターネットだが、理想を実現するための次世代ネットワークを、これからも積極的に構築しながら事業を伸ばしていきたい」とスピーチを締めた。