サムスン電子(以下、サムスン)は現地時間14日、米ハーマン・インターナショナル・インダストリーズ(以下、ハーマン・インターナショナル)を買収すると発表した。買収総額は、約80億ドル(約8,600億円)で、すべて現金で支払われる。 ハーマン・インターナショナルは、オーディオ機器メーカーとして著名だが、コネクテッド・カー市場をリードする存在でもある。同社製のオーディオ・システムを採用した車の数はグローバルで300万台を超え、同社の最新売上レポートでは、自動車関連が65%を占めている。 飽和しつつあるスマートフォン市場を主戦場とするサムスンは、次なる経営の礎を早期に築く必要があり、コネクテッド・カー市場はなかでも戦略的な優先事項となっている。また、今回の買収では(あくまで副次的な部分ではあるが)、JBLや、Harman Kardon、Mark Levinson、AKG、Lexicon、Infinity、Revelなど、ハーマン・インターナショナルが持つ世界有数のオーディオ・システムを含んでおり、スマートフォン市場をはじめとした多方面での活用が期待される。 サムスンのオ・ヒョンクォン副会長兼最高経営責任者(CEO)は今回の買収について、「ハーマン・インターナショナルは完璧なテクノロジー、製品力、ソリューション面でサムスンを助けてくれる。我々が力を合わせることについては、自動車戦略上、自然なことである」とし、ハーマン・インターナショナルのディネッシュ・パリウォル社長兼最高経営責任者(CEO)は「今回の(現金による)取引は、自社の株主に対して、重要で即時的な価値を提供してくれ、また従業員にとっても、より大きく、多様な機会を与えてくれるものだ」とした。 今後、ハーマン・インターナショナルはサムスンの独立子会社化し、ディネッシュ・パリウォル氏以下、経営陣によるリードは継続される見込み。
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