日本電気(NEC)は17日、世界で初めて、リアルタイム処理による毎秒1テラビットの大容量信号の長距離伝送に成功したことを発表した。 100ギガビットのサブキャリア信号を高密度に重ねあわせて、1テラビットスーパーチャネル信号を生成し、本信号を5,400キロメートルの大洋横断に相当する長距離伝送した後、デジタル回路でリアルタイム処理を行い、エラーのない高品質な伝送が可能であることを、実験により実証した。 スーパーチャネル技術では、個々のサブキャリア信号のスペクトル形状を最適化することにより、現在主流の波長多重方式による周波数利用効率を上回る大容量伝送を実現することができる。 今回の実験では、1テラビットスーパーチャネル信号を生成するために、「Software-defined pulse shaper」と「Flexible-grid real-time 100Gb/s subcarriers」という2つの技術が組み合わせられているとのこと。「Software-defined pulse shaper」は、波形を微細に最適化することにより、高密度な重ねあわせと、伝送による歪み劣化抑圧を実現する技術。「Flexible-grid real-time 100Gb/s subcarriers」は、デジタルコヒーレント回路による100ギガビットサブキャリア信号の実時間送受信処理を実現する技術となる。これらの技術により、現在の100ギガビット信号を用いた通信ネットワークに対して、周波数利用効率(通信容量)を約43%向上できる見込み。